プレスリリース
2010
2010年3月18日
関西電力株式会社
美浜発電所3号機の原子炉起動および調整運転の開始について
美浜発電所3号機 第24回定期検査の概要
- 1.主要な工事等について
-
(1)耐震裕度向上工事 (図−1参照) 設備の耐震性を一層向上させるため、余熱除去系統や化学体積制御系統などの配管、アニュラス循環系統や補助建屋よう素除去排気系統のダクト、蒸気発生器や加圧器などの機器類の支持構造物を強化しました。
(2)600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る予防保全工事 (図−2参照) 国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、予防保全対策として、加圧器サージ管台について、600系ニッケル基合金で溶接された管台から、耐食性に優れた690系ニッケル基合金で溶接された管台に取り替えました。
(3)格納容器再循環サンプスクリーン取替工事*1 (図−3参照) 1次冷却材喪失事故時に格納容器再循環サンプスクリーンが異物混入により機能低下することを防止する観点から、スクリーンをより表面積が大きいものに取り替えました。
- *1 国外BWRプラントでの非常用炉心冷却系統ストレーナの閉塞事象を踏まえた原子力安全・保安院の指示を受け、格納容器再循環サンプスクリーンの有効性を評価した結果、設備上の対策が必要であると評価した。なお、設備上の対策を講じるまでは、閉塞事象発生時対応マニュアルの整備などの暫定対策を講じており、安全上の問題が生じることはない。
(4)1次冷却材ポンプ軸シール部改造工事 (図−4参照) 設備の信頼性を一層向上させる観点から、シールの摺動面で発生した摩耗粉がシールの動きを阻害することを防止するため、1次冷却材ポンプ3台のNo.3シール部に1次系純水を供給して摩耗粉を排出する系統を新たに設置しました。
(5)亜鉛注入装置設置工事 (図−5参照) 作業員の被ばく低減の観点から、コバルト−60等の放射性物質が1次冷却材系統などの機器や配管内表面へ付着することを抑制するため、1次冷却材中に亜鉛を注入する装置*2を化学体積制御系統に設置しました。
- *2 1次冷却材中に放射化しにくい亜鉛を注入して、機器や配管内表面に皮膜を形成させることにより、コバルト−60等の放射性物質が機器・配管内表面へ付着することを抑制し、1次冷却材系配管等の線量を低減する。亜鉛注入は、国内プラントでの実績がある。
- 2.設備の保全対策について
-
(1)2次系配管の点検等 (図−6参照) 当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管909箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施しました。その結果、必要最小厚さを下回る箇所および次回定期検査までに必要最小厚さを下回ると評価された箇所はありませんでした。
(超音波検査877箇所、内面目視点検32箇所)
また、過去の点検において減肉が確認された部位8箇所、配管取替の作業性を考慮して取り替える部位13箇所、配管の保守性を考慮して取り替える部位170箇所、合計191箇所について耐食性に優れたステンレス鋼の配管に取り替えました。
- 3.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果
-
蒸気発生器3台のうち、AおよびB−蒸気発生器伝熱管全数(A:3,379本、B:3,382本、計6,761本)について渦流探傷検査を実施し、異常のないことを確認しました。
- 4.燃料集合体の取り替え
-
燃料集合体全数157体のうち、53体(うち44体は新燃料集合体で55,000MWd/tの高燃焼度燃料)を取り替えました。
また、燃料集合体の外観検査(70体)を実施した結果、異常は認められませんでした。
- 5.次回定期検査の予定
-
平成23年度 春頃
以 上