プレスリリース

2010年2月5日
関西電力株式会社

大飯発電所4号機の定期検査開始について

大飯発電所4号機 第13回定期検査の概要

1.主要工事等
(1)耐震裕度向上工事 図−1参照

 既設設備の耐震性を一層向上させるため、主蒸気系統や余熱除去系統などの配管ならびに、ポーラクレーンの支持構造物を強化します。

(2)1次系小口径曲げ配管取替工事 図−2参照

 国外BWRプラントにおいて、芯金を使用して曲げ加工した配管の内面で応力腐食割れが発生した事象を踏まえ、予防保全として、1次冷却材系統につながる曲げ配管のうち、芯金を使用して曲げ加工したものを、芯金を使用せずに曲げ加工した配管に取り替えます。

(3)高サイクル熱疲労割れに係る対策工事 図−3参照

 国内外PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ事象(温度ゆらぎによる熱疲労)を踏まえ、2系列ある充てん配管のうち、使用していない系列の充てん配管、隔離弁などを撤去します。

(4)格納容器再循環サンプスクリーン取替工事 図−4参照

 1次冷却材喪失事故時に格納容器再循環サンプスクリーンが異物混入により機能低下することを防止する観点から、スクリーンの表面積をより大きいものに取り替えます。
 また、同スクリーンを通過した異物が流量調整弁を閉塞しないよう開度(隙間)を大きくすることから、流量調整用オリフィスを設置します。

  • *国外BWRプラントでの非常用炉心冷却系統ストレーナの閉塞事象を踏まえた原子力安全・保安院の指示を受け、格納容器再循環サンプスクリーンの有効性を評価した結果、設備上の対策が必要であると評価された。なお、設備上の対策を講じるまでは、閉塞事象発生時対応マニュアルの整備などの暫定対策を講じており、安全上の問題が生じることはない。
(5)600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る予防保全工事
  図−5参照

 国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえた予防保全対策として、600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器出口管台溶接部について、溶接部全周を一様に研削した後、耐食性に優れた690系ニッケル基合金で溶接を実施します。また、原子炉容器入口管台溶接部、原子炉容器炉内計装筒の内面および管台溶接部について、表面の残留応力を低減させるためにウォータージェットピーニング工事を施工します。

2.設備の保全対策
(1)2次系配管の点検等 図−6参照

 当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管737箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施します。
 (超音波検査729箇所、内面目視点検8箇所)
 また、過去の点検で減肉が確認された部位4箇所、配管取替時の作業性を考慮した部位10箇所、配管の保守性を考慮した部位54箇所、合計68箇所を耐食性に優れたステンレス鋼または低合金鋼の配管に取り替えます。

3.燃料集合体の取り替え

 燃料集合体全数193体のうち81体(うち60体は新燃料集合体で55,000MWd/tの高燃焼度燃料)を取り替える予定です。

4.今後の予定
原子炉起動、臨界 :平成22年 5月下旬
調整運転開始 :平成22年 5月下旬
本格運転再開 :平成22年 6月下旬

 なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。

以 上

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