プレスリリース

2010年2月2日
関西電力株式会社

高浜発電所4号機の定期検査開始について

高浜発電所4号機 第19回定期検査の概要

1.今回の定期検査を利用して実施する主要な工事
(1)1次冷却材ポンプの供用期間中検査 図−1参照

 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、C号機の主フランジ締め付け部やケーシング内表面について、外観目視点検や超音波探傷検査を行ない、健全性を確認します。

(2)低圧タービン取替工事 図−2参照

 国外で発生した低圧タービン円板の翼取付部における応力腐食割れ事象を踏まえ、予防保全対策として、低圧タービン(3基)について、材料強度の変更、全一体ロータ構造および最新の翼形状などを採用した低圧タービンに取り替えます。

  • ※1 今回の取り替えに伴い、タービン性能が向上することにより、定格熱出力一定運転において電気出力が 約1.5〜3.0%上昇する。
(3)600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る予防保全工事
図−3参照

 国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器出入口管台について超音波探傷検査を、原子炉容器炉内計装筒の内面及び管台溶接部については、渦流探傷試験や外観目視点検を実施します。
 また、予防保全対策として、原子炉容器炉内計装筒の内面及び管台溶接部について、表面の残留応力を低減させるため、ウォータージェットピーニング工事※2を施工し、加圧器サージ管台、安全弁管台、逃がし弁管台、スプレイライン管台について、600系ニッケル基合金で溶接された管台から耐食性に優れた690系ニッケル基合金で溶接された管台に取り替えます。

  • ※2 金属表面に高圧ジェット水を吹き付けることにより、金属表面の引っ張り残留応力を圧縮応力に変化させる。
(4)格納容器再循環サンプスクリーン取替工事 図−4参照

 1次冷却材喪失事故時に、格納容器再循環サンプスクリーンが異物混入による機能低下を防止する観点から、スクリーンの表面積をより大きいものに取り替えます。

  • ※3 国外BWRプラントでの非常用炉心冷却系統ストレーナの閉塞事象を踏まえた原子力安全・保安院の指示を受け、格納容器再循環サンプスクリーンの有効性を評価した結果、設備上の対策が必要であると評価された。なお、設備上の対策を講じるまでは、閉塞事象発生時対応マニュアルの整備などの暫定対策を講じており、安全上の問題が生じることはない。
(5)1次系小口径曲げ配管取替工事  図−5参照

 国外BWRプラントにおいて、芯金を使用して曲げ加工した配管内面で応力腐食割れが発生した事象を踏まえ、予防保全として、1次冷却材系統につながる曲げ配管のうち、芯金を使用して曲げ加工したものを、芯金を使用せずに曲げ加工した配管に取り替えます。

(6)高サイクル熱疲労割れに係る対策工事 図−6参照

 国内外PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ(温度ゆらぎによる疲労)を踏まえ、安全注入系統の補助注入ライン高温側2箇所、低温側1箇所に弁を追加します。また、作業性を考慮し、対象となる部分の周辺の配管の一部を取り替えます。

(7)原子炉保護装置取替工事 図−7参照

 原子炉保護装置※4の電子部品が製造中止になったことから、今後の保守性を考慮して、一部を最新設計のものに取り替えるとともに、1次冷却材系統の圧力・温度等を測定する検出器について、信頼性向上のため、現在3台のものを4台に変更します。

  • ※4 1次冷却材系統の圧力・温度などからプラントの異常を検出して、原子炉トリップしゃ断器および工学的安全施設を動作させるための信号を送る装置。
(8)原子炉照射試験片取出工事

 中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を取り出します(今回で4回目)。

2.今定期検査中に実施する保全対策について
(1)2次系配管の点検等 図−8参照

 当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管726箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施します。
 また、過去の点検において減肉が確認された部位3箇所、今後の保守作業を考慮した部位170箇所、合計173箇所を耐食性に優れたステンレス鋼もしくは低合金鋼の配管に取り替えます。

3.燃料集合体の取り替え

 燃料集合体全数157体のうち61体(うち44体は新燃料集合体)を取り替える予定です。

4.今後の予定
原子炉起動、臨界 平成22年5月上旬
調整運転開始 平成22年5月中旬
本格運転再開 平成22年6月上旬

 なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。

以 上

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