プレスリリース
2009
2009年11月5日
関西電力株式会社
美浜発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について
美浜発電所1号機 第24回定期検査の概要
- 1.主要工事等
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(1)1次冷却材ポンプ供用期間中検査および熱遮へい装置※1取替工事 (図−1参照) 1次冷却材ポンプの供用期間中検査※2として、B号機の主フランジ締め付け部やケーシング内表面について、外観目視点検や超音波探傷検査を行ない、健全性を確認しました。
また、国外プラントでの1次冷却材ポンプ熱遮へい装置の熱疲労割れ事象(温度ゆらぎによる熱疲労)を踏まえ、予防保全として、B号機の熱遮へい装置を新品に取り替えました※3。- ※1 1次冷却材ポンプの軸受部および軸シール部を潤滑・冷却している封水(低温)が注入されなくなった場合に、1次冷却材(高温)が軸受部および軸シール部に侵入して損傷する可能性があるため、侵入する手前で1次冷却材を冷却する装置。
- ※2 原子炉の安全確保上重要な圧力容器、弁、ポンプ及び支持構造物等の設備の健全性を確認するために、検査計画を作成し、その計画に基づいて定期検査時にあわせて実施する検査。
- ※3 A号機については、前回定期検査(平成20年3月〜7月)にて取替済み。
(2)耐震裕度向上工事 (図−2参照) 既設設備の耐震性を一層向上させるため、安全注入系統や余熱除去系統などの配管、アニュラス排気系統や格納容器排気系統などのダクト、蒸気発生器、ほう酸注入タンクなどの機器、伝送器の支持構造物を強化しました。
(3)第1・2低圧給水加熱器取替工事 (図−3参照) 設備の信頼性向上対策として、施栓率が高いB−第1低圧給水加熱器およびB−第1低圧給水加熱器と一体型構造であるB−第2低圧給水加熱器の伝熱管(銅合金製)を耐食性に優れたステンレス製の伝熱管に取り替えました。
(4)発電機負荷開閉装置設置工事 (図−4参照) 発電機停止中の所内電源(常用母線、非常用母線)の供給ラインを多重化するため、発電機と主変圧器との間に発電機負荷開閉装置を設置するとともに、所内変圧器から非常用母線への電源供給ラインおよびしゃ断器を設置しました。
- 2.設備の保全対策
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(1)2次系配管の点検等 (図−5参照) 当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管1,227箇所について超音波検査(肉厚測定)等を行った結果、必要最小厚さを下回る箇所、および次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された箇所はありませんでした。(超音波検査1,214箇所、内面目視点検13箇所)
また、過去の点検で減肉が確認された部位2箇所、配管取替え時の作業性を考慮した部位3箇所、および今後の保守性を考慮した部位47箇所、合計52箇所を耐食性に優れたステンレス鋼または低合金鋼の配管に取り替えました。
- 3.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)
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蒸気発生器2台のうち、B−蒸気発生器伝熱管全数(2,918本)について、渦流探傷検査を実施し異常のないことを確認しました。
- 4.燃料集合体の取替え
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燃料集合体の外観検査(4体)を実施した結果、異常は認められませんでした。
また、燃料集合体全数121体のうち45体(うち24体は新燃料集合体)を取り替えました。
- 5.次回定期検査の予定
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平成22年秋頃
- ※運転開始から40年を迎える平成22年11月28日までに、定期検査に入る予定。
以 上