プレスリリース

2009年6月23日
関西電力株式会社

美浜発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について

美浜発電所2号機 第25回定期検査の概要

1.主要工事等
(1)1次冷却材ポンプ軸シール部改造工事 図−1参照

 設備の信頼性を一層向上させる観点から、シールの摺動面で発生した磨耗粉がシールの動きを阻害することを防止するため、1次冷却材ポンプ2台のNo.3シール部に1次系純水を供給して磨耗粉を排出する系統を新たに設置しました。

(2)耐震裕度向上工事 (図−2参照)

 既設設備の耐震性を一層向上させるため、安全注入系統や余熱除去系統などの配管、アニュラス排気系統などのダクト、放射性機器冷却水タンクや動力変圧器などの機器の支持構造物を強化しました。

(3)600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る予防保全工事
  (図−3参照)

 国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、予防保全対策として、加圧器サージ管台について、600系ニッケル基合金で溶接された管台から耐食性に優れた690系ニッケル基合金で溶接された管台に取り替えました。

(4)湿分分離加熱器の加熱管取替工事 (図−4参照)

 美浜1号機の第22回定期検査(平成18年)において、湿分分離加熱器A号機の加熱管に損傷が確認された事象を踏まえ、湿分分離加熱器3台(全4台)の加熱管を取り替えました。
 取り替えた加熱管については、材質を銅合金から耐食性に優れたステンレスに変更するとともに、損傷の原因となった、加熱管外表面に加工されているフィンと管支持板との干渉を防ぐため、U字状近くの直管部はフィンのない形状としました。

2.設備の保全対策
(1)高サイクル熱疲労割れに係る対策工事 (図−5参照)

 国内外PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ事象(温度ゆらぎによる熱疲労)を踏まえ、A余熱除去ポンプ入口配管1箇所について、温度ゆらぎを抑制するため、配管ルートを変更しました。

(2)2次系配管の点検等 (図−6参照)
  • 1当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管1,024箇所について超音波検査(肉厚測定)等を行いました。
    (超音波検査997箇所、内面目視点検27箇所)
     その結果、必要最小厚さを下回る箇所、および次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された箇所はありませんでした。
  • 2今定期検査開始時に計画していた226箇所の配管について、炭素鋼から耐食性に優れたステンレス鋼に取替えました。
3.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果

 2台ある蒸気発生器のうち、B−蒸気発生器伝熱管全数(3,382本)について、渦流探傷検査を実施した結果、異常は認められませんでした。

4.燃料集合体の取替え

 燃料集合体全数121体のうち、33体(うち20体は新燃料集合体)を取り替えました。
 燃料集合体の外観検査(20体)を実施した結果、異常は認められませんでした。

5.次回定期検査の予定

 平成22年 夏頃

以 上

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