プレスリリース

2009年4月21日
関西電力株式会社

大飯発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について

大飯発電所2号機 第22回定期検査の概要

1.主要な工事等について
(1)耐震裕度向上工事 図−1参照

 既設設備の耐震性を一層向上させるため、安全注入系統や余熱除去系統などの配管、アニュラス浄化系統や補助建屋よう素除去排気系統などのダクト、空気再循環ファン、動力変圧器、伝送器の支持構造物を強化しました。

(2)原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事 図−2参照

 国外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、1次冷却材の流れがない配管(高温環境で溶存酸素濃度が高い)の溶接部を、計画的に応力集中が小さい形状に変更しており、今定期検査では化学体積制御系統の配管1箇所について溶接形状を変更しました。
 また、取替作業時の作業性を考慮し、対象となる溶接部周辺の弁および配管の一部についても取り替えました。

(3)蒸気発生器保温材取替工事 図−3参照

 1次冷却材喪失事故時の格納容器再循環サンプスクリーンの異物による機能低下を防止する観点から、蒸気発生器4台のうち2台の保温材について、セラミックファイバー製からロックウール製に取り替えました。また、残り2台の蒸気発生器については、次回定期検査で保温材を取り替える予定です。
 なお、保温材取替工事は、次回定期検査で取り替える表面積が大きいスクリーンを使った事前の試験において、セラミックファイバー製保温材が詰まる可能性が確認されたため実施することとしたものです。

  • ※:国外BWRプラントでの非常用炉心冷却系統ストレーナの閉塞事象を踏まえた原子力安全・保安院の指示を受け、格納容器再循環サンプスクリーンの有効性を評価した結果、設備上の対策が必要であると評価された。なお、設備上の対策を講じるまでは、閉塞事象発生時対応マニュアルの整備など暫定対策を講じており、安全上の問題が生じることはない。
(4)1次冷却材ポンプ軸シール部改造工事 図−4参照

 設備の信頼性を一層向上させる観点から、シールの摺動面で発生した磨耗粉がシールの動きを阻害することを防止するため、1次冷却材ポンプ4台のNo.3シール部に1次系純水を供給して磨耗粉を排出する系統を新たに設置しました。

(5)亜鉛注入装置設置工事 図−5参照

 作業員の被ばく低減を図るため、コバルト-60等の放射性物質が機器や配管内表面に付着することを抑制するため、1次冷却材中に亜鉛を注入する装置を化学体積制御系統に設置しました。

  • ※:1次冷却材中に放射化しにくい亜鉛を注入して、機器や配管内表面に皮膜を形成させることにより、コバルト-60等の放射性物質が機器・配管内表面へ付着することを抑制し、1次冷却材系配管等の線量を低減する。亜鉛注入は国内プラントでの実績がある。
2.保全対策について
(1)2次系配管の点検等 図−6参照
  • 1当社が定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管1,173箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施しました。
     その結果、必要最小厚さを下回ると評価された箇所は無かったものの、次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された箇所が1箇所確認されました。当該箇所については、耐食性に優れたステンレス鋼の配管に取り替えました。
  • 2今定期検査開始時には174箇所の配管取替を計画していましたが、次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された1箇所、配管取替えの作業性や今後の保守性を考慮した8箇所を追加し、合計183箇所の配管を炭素鋼から耐食性に優れたステンレス鋼又は低合金鋼に取り替えました。
3.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果

 蒸気発生器4台のうち、BおよびD−蒸気発生器伝熱管全数(3,382本×2台、計6,764本)について渦流探傷検査を実施し、異常のないことを確認しました。

4.燃料集合体の取り替え

 燃料集合体全数193体のうち61体(うち60体は新燃料集合体で55,000MWd/tの高燃焼度燃料)を取り替えました。

5.次回定期検査の予定

 平成22年夏頃

 なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。

以 上

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