プレスリリース

2008年7月1日
関西電力株式会社
株式会社かんでんエンジニアリング

「新型 地中送電ケーブル事故点測定器」の開発について

 当社と株式会社かんでんエンジニアリングは、国内トップレベルの測定性能(耐誘導電圧300V、測定精度±0.5%程度)を有する新型の地中送電ケーブル事故点測定器を開発しました。

 架空送電線路の鉄塔用地確保が困難になっていることや、景観上の制約などから、近年、都市部での電力供給には地中送電線路が多く用いられています。地中送電線路は、雷、風雨、氷雪等による設備災害が少なく、信頼性の高い供給方式ですが、一方、ケーブル被覆損傷等による地絡事故が発生すると、事故箇所の発見が困難で、復旧までに長時間を要することがあります。このため、地中送電線路の事故点検出には、マレーループ法などを用いた測定器が用いられています。
 しかし、最近は地中送電エリアの拡大に伴い、送電電圧の高電圧化や、同一ルートでの多回線化、長距離化も進んだことから、現在では隣接するケーブルからの影響で誘導電圧が最大で300Vにまで達する地中送電線路が増えてきました。このような線路において、従来の測定器の性能は、耐誘導電圧100V、測定精度±0.5%程度だったため、正確に事故点を検出する事は困難でした。

 そこで今回、300Vまでの誘導電圧を除去できる高性能フィルタ回路を備えた、耐誘導電圧型の事故点測定器を開発しました。これにより、当社供給エリアの全地中送電線路において迅速に事故点が検出でき、復旧時間の短縮化が図れるものと期待しています。

 開発した測定器の主な特徴は、以下のとおりです。

◇高い測定能力
  • ・誘導電圧300Vが重畳されている線路でも、±0.5%程度の精度で事故点の検出が可能。
◇優れた操作性
  • ・タッチパネル液晶画面の採用により、簡単かつ容易に操作が可能。
  • ・測定結果は、線路長に対する事故点までの百分率表示に加え、ケーブルサイズとケーブル長を設定することで、測定器内で自動換算を行い、事故点までの距離も表示可能。

 本測定器は平成21年度より販売を予定しており、現在、製品化に向けた最終評価のための試験等を実施しています。
 なお、本測定器はH20年5月28〜30日にインテックス大阪で開催された「電設工業展2008」に出展しました。

以 上

※事故相と健全相でループ回路を構成した上で、直流高電圧を印加し、平衡状態の電圧比(抵抗比)から事故点までの距離を算出する方法。

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