プレスリリース

2008年12月15日
関西電力株式会社

「かんでんクラシック・スペシャル~オペラへの誘(いざな)い2009~」の開催について

歌劇「後宮(こうきゅう)からの逃走」について

本作品は、1782年にオーストリア・ウィーンのブルク劇場で初演され、大成功を収めた。モーツァルトが音楽の都ウィーンに来て最初にとりかかった本作品は、故郷ザルツブルグでの窮屈な宮仕えから開放され、恋人との結婚を控えた幸せな時期に作られたこともあって、美しいメロディと溌剌とした息吹に満ち、生き生きとしたハッピーエンドの作品に仕上がっている。
隣席した皇帝ヨーゼフ2世がモーツァルトに「少々音符が多すぎやしないか?」と尋ね、「必要な数でございます」と答えたエピソードは有名。
   
当時、ウィーンで上演されるオペラはイタリア語のオペラが中心だったが、1776年以降、皇帝がドイツ文化政策を推進したことに伴い、このオペラはドイツ語のオペラとして作られた。「ジングシュピール」という、歌の間に演劇のように朗読されるセリフが混じっている音楽劇、歌芝居である。
今回の上演においては、歌はドイツ語で演じ、セリフは日本語で演じる。
   
舞台は、トルコの後宮。後宮とはハーレムのことであるが、宮殿の奥向きの場所で王妃が住んでいた場所のこと。
   
スペインの若い貴族ベルモンテは、船旅の途中に海賊に捕らえられトルコの宮殿に囚われている恋人コンスタンツェと侍女のブロンデ、ベルモンテ自身の従者ペドリロを救出するために、トルコ太守ゼーリムの後宮にやってくる。
   
睨みをきかせる後宮の番人オスミンの目を盗み、再会を果たしたベルモンテとペドリロは、恋人コンスタンツェと侍女ブロンデの救出を企てるが、逃亡寸前のところで番人オスミンに全員捕まってしまう。
   
尋問の結果、ベルモンテの父親は、太守ゼーリムから愛する人も名誉も地位も金も取り上げた敵だと判明。死を覚悟したコンスタンツェとベルモンテだが、太守ゼーリムは彼らを罰する代わりに、慈悲の心で自由にしてやると宣言。4人は帰国を許される。
   
高音と超絶技巧を駆使した美しいアリアと、高潔な人物として描かれる太守ゼーリムの慈悲の結末が見どころ。
   

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