プレスリリース
2008
2008年7月10日
関西電力株式会社
高浜発電所高燃焼度燃料(1号および2号機)の使用計画、洗浄排水処理装置(1、2号機共用ならびに3、4号機共用)の取替計画、使用済燃料輸送容器保管建屋(1~4号機共用)の対象物としてウラン・プルトニウム混合酸化物新燃料輸送容器を追加する計画に係る事前了解願いの提出について[別 紙]
添付資料2
洗浄排水処理装置の取替計画の概要
1. | 施設の使用に関する説明 |
(1) | 洗浄排水(手洗い排水およびシャワ排水を含む)は、洗浄排水タンクから膜分離浄化槽に受入れられ、その中に設置されている精密ろ過膜(孔径0.4μm)を通してろ過することで処理水と粒子状放射性物質とに分離する。 |
(2) | 膜分離浄化槽には、活性汚泥(微生物)が添加されており、活性汚泥の代謝作用により洗浄排水中の洗剤および垢等汚れ成分を水と炭酸ガスに分解する。 |
(3) | ろ過した処理水は洗浄排水モニタタンクへ移送し、放射性物質濃度が十分低いことを確認した後、従来どおり放水口より放出する。 |
(4) | 粒子状放射性物質は活性汚泥と合わせて定期的に抜き出して脱水処理後、雑固体焼却設備にて焼却処理する。 |
(5) | 洗浄排水処理装置の処理容量は2.0m3/hとし、想定される洗たく排水の1日の最大発生量を十分処理できる能力を有している。 |
なお、活性汚泥処理方式は一般産業の生活排水処理方式のシェアとして多数の使用実績を持っているもので、十分な実績があり確立された技術である。 |
2. | 施設の安全設計に関する説明 |
本装置は、洗浄排水タンクに貯留された洗浄排水を処理するための装置であり、廃棄設備に分類されることから、本装置では以下の安全設計上の考慮を行うこととしている。 |
(1) | 本装置のうち、膜分離浄化槽および汚泥タンクは、原子炉格納容器外に設置される流体状の放射性廃棄物を内包する容器にあたるため、本容器設置区画は堰により放射性廃棄物の施設外への漏えいを防止する対策を講じた設計とする。 |
(2) | 本容器の設置区画の床面および壁面は、堰の高さまで耐水性を有する塗料を塗布するとともに、漏えい防止処置に必要な床面および壁面の貫通部には堰の機能を失わないよう耐漏えい処理を施す設計とする。 |
(3) | 万一、本容器からの流体状の放射性廃棄物が漏えいした場合には、漏えいを早期に検知するため、本容器設置区画に漏えい検知装置を設けた設計とする。 |
以上より、本装置の取替えについて安全上問題ないよう設計する。 |
3. | 周辺環境への影響に関する説明 |
(1)気体廃棄物 |
洗浄排水処理装置で処理する洗浄排水には、希ガスおよびよう素は含まれておらず、放出される希ガスおよびよう素の放出量への影響はない。 洗浄排水処理装置から発生する活性汚泥の焼却に伴う排ガスには粒子状放射性物質が含まれるが、雑固体焼却設備(既設)にはDF=105以上のセラミックフィルタ等が設置されていることから、放出量は原子炉からの年間放出量に比べ無視できる程度である。 |
(2)液体廃棄物 |
洗浄排水に含まれる放射性核種の大部分は粒子状成分であり、そのほとんど(約90%以上)が0.45μm以上の粒経で分布していることを実機で確認している。 本設備では孔径0.4μmの精密ろ過膜による分離により、従来設備同等の除染性能が確保されることから、放射性物質の放出量は従来どおりである。 |
(3)固体廃棄物 |
今回の変更により、使用済み精密ろ過膜ならびに活性汚泥の焼却処理による焼却灰等、雑固体廃棄物の発生があるが発生量は僅かである。 また、従来の洗浄排水処理装置から発生する廃棄物ドラム缶本数が約100本/年相当から約3本/年相当に低減される。 |
|
以上より、洗浄排水処理装置の取替えによる周辺環境への影響は問題となるものではない。 |