プレスリリース

2008年5月16日
関西電力株式会社

高浜発電所1号機の定期検査状況について(燃料集合体漏えい検査結果)

 高浜発電所1号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力82万6千キロワット、定格熱出力244万キロワット)は、定格熱出力一定運転中の1月9日、1次冷却材中のよう素(I-131)濃度の上昇(約0.7Bq/cm3から1.5Bq/cm3)が認められたことから、燃料集合体に漏えい※1が発生した疑いがあるものと判断しました。
 このため、監視を強化した上で運転を継続していましたが、放射性廃棄物の放出抑制および作業員の被ばく低減の観点から、十分な放射能低減期間を確保するため、年度計画上の予定から約11日間前倒して3月19日から第25回定期検査を開始しました。


  ※1: 燃料ペレットを収納している燃料被覆管から漏えいがあると、燃料被覆管内のよう素が1次冷却材中に放出される。このため、1次冷却材中のよう素濃度の変化から、漏えいの有無を判断している。

平成20年1月9日3月18日 お知らせ済み]

[燃料集合体漏えい検査の結果]
  原子炉に装荷されていた燃料集合体全数(157体)について、漏えい燃料集合体を特定するため燃料集合体シッピング検査※2を行った結果、燃料集合体2体(燃料集合体番号KAEA70およびKAEA72)に放射性物質の漏えいが認められました。
  漏えいが認められた燃料集合体2体について水中カメラによる外観検査を実施したところ、傷や割れなどの異常は認められませんでした。また、燃料集合体の燃料棒全数(204本/1体)について、漏えい燃料棒の特定のため、超音波による調査※3を実施した結果、燃料集合体1体(KAEA70)の燃料棒1本で漏えいが認められました。なお、もう1体の燃料集合体(KAEA72)では、漏えい燃料棒の特定に至りませんでした。
  漏えいが認められた燃料棒1本について、ファイバースコープを用いて外面目視点検を実施したところ、傷や割れは認められませんでした。
     
   
※2: 燃料集合体から漏れ出てくる気体および液体に含まれる核分裂生成物(キセノン-133、よう素-131等)の量を確認し、漏えい燃料集合体かどうか判断する。
※3: 漏えいが発生した燃料棒の内部は、漏えい孔から浸入する水により、健全な燃料棒に比べ、燃料被覆管を伝播する際の超音波が減衰する。これを検出することで、漏えい燃料棒を特定する。


 これらの検査結果から、今回の漏えいは燃料棒に偶発的に発生した微小孔(ピンホール)によるものと推定しました。
 当該燃料集合体2体は、今後、再使用しません。
 なお、当該燃料集合体2体は所定の燃焼が終了しており、再使用しない計画でした。


 この事象による環境への放射能の影響はありませんでした。

以  上

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