プレスリリース

2008年4月7日
関西電力株式会社
株式会社ビスキャス

約20%の低風圧効果が得られる正多角形断面電線の開発について

 当社は、この度、株式会社ビスキャスと共同で、電線断面を正多角形化するという新しい概念により、強風時に受ける風圧を低減できる送電線を開発いたしました。

 送電線は、発電所から変電所等に電気を送るための重要な設備であり、当社管内においても総延長約1万1千キロメートルの送電線があります。送電線の低風圧化が実現できれば、送電線を固定する機材の使用が低減でき、鉄塔建設費の削減が可能になります。また、強風の影響を受けにくいことで、さらなる電気の安定供給が可能となります。

 従来、送電線が受ける風圧を低減させるため、表面をゴルフボールのディンプルのように凹凸とすることで、風の反発を抑制する研究を進めてまいりましたが、送電線のサイズが細くなればなるほど、表面積が減少し、この効果が小さくなってしまうという問題がありました。

 このたび当社は、電線断面を正多角形(17〜22角)にすることで、電線が受ける風圧を低減できることに着目し、この技術を用いて、強風時に受ける風圧を低減できる、あらゆるサイズの送電線を開発いたしました。

 本技術を用いた低風圧の送電線には以下の特徴があります。

  • ○風圧低減効果の得られる送電線サイズが大幅に広がる
     従来技術810mm2のみ → 新技術 810,610,410,330,240mm2の全サイズ
  • ○風圧低減効果は、これまでの低風圧の送電線と同等(約20%低減)
  • ○風圧荷重の低減により、送電線の建設コストが削減できる(数%〜10%)

 当社は、今後、送電線の張替工事や新設工事において、今回開発した正多角形断面の電線を採用していく予定であり、平成20年度に商品化することを目指してまいります。

以 上

<会社概要>
株式会社ビスキャスの会社概要
  • 設 立: 平成13年9月26日
    (古河電工(株)と(株)フジクラの合弁会社)
  • 資本金: 121億円
  • 代表者: 代表取締役社長  田邊 輝義
  • 本 社: 東京都品川区東品川4丁目12番2号
    品川シーサイドウエストタワー
  • 事業内容:海底電力ケーブル、架空送電線、配電線およびこれら付属機器の製造販売
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