プレスリリース

2008年4月7日
関西電力株式会社

原子力発電所の運転実績等について(平成19年度)

[別紙]

発電所名  大飯発電所3号機 発 生 日 第13回定期検査中(平成20年3月18日)
件  名 所内電源喪失に伴う非常用ディーゼル発電機の自動起動について (添付図参照)
事象概要
および
対 策 等
 第13回定期検査中(平成20年2月2日〜)の平成20年3月18日16時8分、送電線から所内電源を供給するため投入されていた主変しゃ断器が開放し、所内電源が喪失するとともに待機中のB−非常用ディーゼル発電機が自動起動しました(A−非常用ディーゼル発電機は定期点検中)。
 主変しゃ断器が開放した原因を調査したところ、事象発生時に発電機窒素ガス封入装置の電磁弁の動作確認試験を実施しており、この試験において操作した窒素ガス封入スイッチにより主変しゃ断器が開放したことが判明しました。
 このため、同日16時40分に主変しゃ断器を投入し、所内電源を停電前(主変しゃ断器開放前)の状態に復旧しました。
 事象発生時、原子炉から燃料はすべて取り出されており、保安規定に定められた運転上の制限からの逸脱はなく、プラントの安全性に影響はありませんでした。
 また、環境への放射能の影響もありませんでした。


  ※:   窒素ガス封入装置
発電機で火災が発生した場合、主変しゃ断器を開放して発電機を停止させるとともに、発電機内の水素ガスを排出するため、窒素ガスを発電機に注入する装置。


 当該動作確認試験について調査したところ以下のことが判明しました。

 発電機窒素ガス封入装置の動作スイッチを動作させると、主変しゃ断器の開放信号が発信するとともに電磁弁が動作する仕組みとなっています。このため、電磁弁の動作試験を行う際には、3号機では、しゃ断器の開放信号が発信しない同装置のテストスイッチを使用する必要がありました。
 しかし、当該電磁弁の動作確認試験作業要領書には、この「テストスイッチを操作する」との記載がなく、3号機の設備では該当しない「主変しゃ断器の開放信号を隔離する措置を行った上で窒素ガス封入スイッチを操作する」と誤った記載がなされていました。
 また、作業を実施した担当課員は、他プラントでの経験から窒素ガス封入装置の動作スイッチを使用して試験を行うものと思い込み、作業要領書等の内容を十分確認せずに操作を行っていました。
 さらに、作業要領書の内容が誤っていたにもかかわらず、具体的な作業計画書には正規の手順が記載されていたことや、作業に伴い作成する隔離明細書(スイッチや弁の状態表示票)の内容も誤っていたことなど、作業実施にあたっての所内でのチェック機能が不十分であったことが判明しました。

 対策として以下のとおり実施します。
 当該作業要領書の記載内容を、3号機の装置に応じたものに修正しました。また、現在実施している定期検査において、作業着手前に、作業要領書が3号機設備(装置)に応じたものになっているかについて再確認を行うこととしました。さらに、所長から全所員に対し、今回の作業ミスを周知するとともに、基本動作励行の再徹底やトラブル低減に向けた確実な取組みを強く指導しました。


添付図

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