1.今回の定期検査を利用して実施する主要な工事 |
|
|
既設設備の耐震性を一層向上させるため、内部スプレイクーラや安全系機器用変圧器、格納容器排気筒などのダクト、化学体積制御系統などの配管の支持構造物を強化します。
|
|
|
|
国外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、高溶存酸素濃度環境となりうる1次系統の閉塞部について、溶接部を計画的に応力集中が小さい形状に変更しており、今定期検査では安全注入系統の溶接部16箇所について形状を変更します。
|
|
(3) |
600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る 予防保全工事 |
|
(図−3参照) |
|
|
国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材出入口管台、炉内計装筒の溶接部について、目視点検や渦流探傷試験を実施するとともに、予防保全対策として、溶接部表面の残留応力を低減させるため、ウォータージェットピーニング工事※を実施します。
|
※: |
溶接部に高圧ジェット水を吹き付けることにより、金属表面の引張残留応力を圧縮応力に変化させる。 |
|
|
|
|
昇圧変圧器※のコイル絶縁性能が低下傾向にあることから、予防保全として昇圧変圧器一式を新品に取り替えます。
|
※: |
発電機で発生した電力を送電するにあたり、電圧を500kVに昇圧する変圧器。 |
|
|
2.保全対策について |
|
|
国内外PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ事象(温度ゆらぎによる疲労)を踏まえ、AおよびB余熱除去冷却器バイパスライン合流部の2箇所について、温度ゆらぎが抑制できる合流部形状に変更するとともに、応力集中が小さい溶接形状に変更します。
|
|
|
|
美浜発電所3号機事故を踏まえ、2次系配管1,769箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施します。(超音波検査(肉厚測定):1,749箇所、内面目視点検:20箇所)
また、過去の点検結果から減肉が確認された部位3箇所、今後の保守作業を考慮した部位439箇所、合計442箇所を耐食性に優れたステンレス鋼もしくは低合金鋼の配管に取り替えます。
|
|
3.燃料集合体の取り替え |
|
燃料集合体全数157体のうち69体(うち56体は新燃料集合体)を取り替える予定です。
|
|
4.今後の予定 |
|
原子炉起動、臨界 | :平成20年7月上旬 |
調整運転開始 | :平成20年7月上旬 |
本格運転再開 | :平成20年8月上旬 |
|
|
5.その他 |
(1)燃料集合体漏えいの疑いに伴う燃料集合体の検査 |
|
|
|
定格熱出力一定運転中の平成20年1月9日、定例の1次冷却材中のヨウ素(I−131)濃度の測定(3回/週)を行った結果、前回(1月7日)の測定値(約0.7Bq/cm3)を上回る値(1.5Bq/cm3)が確認されたことから、燃料集合体に漏えいが発生した疑いがあるものと判断しました。
ヨウ素濃度は、運転上の制限値 (57,000Bq/cm3)に比べ十分に低く、発電所の運転および環境安全上問題はないと判断されることから、1次冷却材中の放射能濃度測定頻度を上げて監視を強化し、運転を継続しました。
この事象による、環境への放射能の影響はありません。
今定期検査において、漏えい燃料集合体を特定するため、燃料集合体全数(157体)について、シッピング検査※を行います。また、漏えいが確認された燃料集合体については、外観検査を行います。
なお、漏えいが特定された燃料集合体については、今後使用しません。
|
※: |
漏えい燃料集合体から漏れ出てくる核分裂生成物(キセノン133)を検出し、通常の値と比較することにより、漏えい燃料集合体を判断する。 |
|