1.今回の定期検査を利用して実施する主要な工事 |
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600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る点検・予防保全工事 |
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(図−1参照) |
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国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材出入口管台、炉内計装筒、蒸気発生器出入口管台、加圧器安全弁の溶接部について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施します。また、原子炉容器冷却材出入口管台の溶接部と炉内計装筒内面について、渦流探傷試験を実施します。
予防保全対策として、溶接部表面の残留応力を低減させるため、原子炉容器の冷却材出入口管台溶接部と炉内計装筒の内面および表面溶接部にウォータージェットピーニング工事※を実施します。
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金属表面に高圧ジェット水を吹き付けることにより、金属表面の引っ張り残留応力を圧縮応力に変化させる。 |
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(参考) |
蒸気発生器出入口管台溶接部については第12回定期検査(H18)で、渦流探傷試験を行い、異常がないことを確認した上で、予防保全工事(ショットピーニング工事)を実施した。 |
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海外BWRプラントにおいて、芯金を使用して冷間加工したことにより曲げ管内面で応力腐食割れが発生した事象を踏まえ、予防保全として、1次冷却材系統につながる口径が約10cm以下の曲げ管を芯金を使用せずに曲げ加工した配管に取り替えます。
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作業員の被ばく低減を図るため、1次冷却材中に含まれるコバルト-60等の放射性物質が機器や配管内表面に付着することを抑制する効果がある亜鉛を1次冷却材中に注入する装置を、化学体積制御系に設置します。
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※: |
亜鉛注入は国内外プラントで実績があり、1次冷却材中に放射化しにくい亜鉛を注入し、機器・配管内表面に強固な皮膜を形成させ、コバルト-60等の放射性物質が機器・配管内表面へ付着することを抑制することで、1次冷却材系配管等の線量を低減する。 |
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2.今回の定期検査中に実施する保全対策について |
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国内PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ事象(温度ゆらぎによる疲労)を踏まえ、AおよびB余熱除去冷却器バイパスライン合流部の2箇所について、応力集中が小さい溶接形状に変更して配管を取り替えます。
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美浜発電所3号機事故を踏まえ、1,935箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施します。(超音波検査1,912箇所、内面目視点検23箇所)
また、過去の点検結果から減肉傾向のみられる部位1箇所、今後の保守性を考慮した部位118箇所、合計119箇所を耐食性に優れたステンレス鋼、または低合金鋼の配管に取り替えます。
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3.燃料集合体の取り替え |
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燃料集合体全数193体のうち97体(うち64体は新燃料集合体)を取り替える予定です。なお、新燃料集合体64体は全て最高燃焼度55,000MWd/tの高燃焼度燃料です。
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4.今後の予定 |
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原子炉起動、臨界 | :平成20年 4月下旬 |
調整運転開始 | :平成20年 4月下旬 |
本格運転再開 | :平成20年 5月下旬 |
なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。 |