プレスリリース

2006年12月6日
関西電力株式会社

大飯発電所3号機の原子炉起動および調整運転の開始について

 大飯発電所3号機 第12回定期検査中における保全品質情報等について、以下のとおりお知らせします。


2.保全品質情報について

実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象



(1)法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象

   なし



(2)(1)に至らない軽微な事象

   なし



3.その他情報
(1)不具合情報
発電所名  大飯発電所3号機 発 生 日 第12回定期検査中(11月1日)
件  名 1次冷却材ポンプモータ配管点検作業における協力会社作業員の計画線量の超過について(参考図参照)
事象概要
および
対 策 等
 定期検査中の11月1日、原子炉格納容器内Cループ室において、協力会社作業員3名が、1次冷却材ポンプモータ冷却水配管の非破壊検査の準備作業である配管フランジ部表面塗装の除去中に、警報付デジタル線量計(以下ADDという)を確認したところ、1名が事前に社内で計画した当日の計画線量(0.80mSv/日)を超える1.19mSv[午前:0.22mSv、午後:0.97mSv]の放射線を受けていました。
 なお、法令で定める線量限度(年間50mSv)は超過していません。

 今回のような放射線管理区域内の作業では、事前に計測した作業場所の線量率を目安に、作業者毎に従事する時間を決定するとともに、適宜、作業員や作業における放射線管理を行う協力会社の放射線管理専任者(以下「放管専任者」という)が放射線を受けた線量を確認しながら作業を行い、1日の線量が計画線量を上回らないように管理することにしています。
 また、作業員が身につけているADDは、計画線量よりも低い線量で警報音が鳴るように設定します。
 作業状況を調査した結果は以下のとおりです。
当該作業員が午後に作業を行った場所の線量率は、事前に0.50mSv/hと計測されていました。
午前中に別の作業員が同じ場所で作業を行っており、その際には作業場所の線量率等から作業開始後約1時間経過した時点で、放管専任者は作業員の線量を確認していました。その結果、計画線量に対して余裕があったことから作業を継続し、約2時間の作業で受けた線量は0.37mSvでした。
午前中の作業実績より、放管専任者および当該作業員は、当該作業員が午後から約2時間作業しても、計画線量内に収まるものと考えていました。このため、放管専任者が作業員の線量を確認したのは、作業開始後2時間を超えていました。
当該作業員及び他の作業員は、何らかの原因によりADDの警報音が聞こえませんでした。

 以上のことから、原因は、当日の午後に2時間程度の作業をしても計画線量内に収まると考えていたため、当該作業員および放管専任者は、作業中に適宜、ADDの指示値を確認しなかったことに加え、当該作業員がADDの警報音により計画線量に迫っていることを確認できなかったことと考えられます。
 なお、当該ADDを点検した結果、警報音発信機能などに問題はなかったことから、ADDの警報音が聞こえなかった原因については、ADDのスピーカー部が作業員の体に押し付けられていた可能性やADDの一時的な故障の可能性も考えられます。

 これを受けて、対策を以下のとおり実施しました。
各個人が常に放射線管理に注意を払うとともに、作業場所毎に計測された線量率により時間管理を行うよう、各協力会社に周知・徹底しました。

 これを受けて、対策を以下のとおり実施します。
今後、より現場に則した具体的な管理方策等について、協力会社と共に検討を行います。
ADDの警報音を確実に認知させるため、警報音発信時間を長くするなどの検討を行います。

     線量率(mSv/h)とは、1時間に放射線を受ける度合いを表す単位。

[平成18年11月16 お知らせ済]




(2)その他情報(工学的安全施設の予防保全作業)

   なし


以 上

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