プレスリリース
2006
2006年8月10日
関西電力株式会社
大飯発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について
1. | 主要な工事等について |
(1) | 原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る 予防保全対策工事 |
(図−1参照) |
国内外PWRプラントにおける、600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れ事例に鑑み、600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材出入口管台溶接部および炉内計装筒管台溶接部について、予防保全として配管表面の残留応力を低減させるためのウォータージェットピーニング*を施工しました。
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(2)2次系熱交換器他取替工事 | (図−2参照) |
2次系水質向上対策として、蒸気発生器への不純物持ち込み低減を図るため、給水加熱器等の伝熱管を銅合金製からステンレス製に取り替えました。 また、復水器伝熱管からの海水漏えいを防止するため、伝熱管を銅合金製から耐食性に優れたチタン製に取り替えました。 |
2. | 保全対策について |
・2次系配管の肉厚検査等 | (図−3参照) |
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美浜発電所3号機2次系配管破損事故を踏まえ、1,165箇所※1について超音波検査(肉厚測定)を実施しました。(今回で未点検箇所の点検を終了) その結果、計算必要厚さを下回っている箇所が1箇所確認され、さらに1箇所については次回定期検査までに計算必要厚さを下回ると評価されました。 この2箇所については、炭素鋼から耐食性に優れたステンレス鋼の配管に取り替えました。 |
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過去の点検結果から減肉が確認された部位33箇所、保守性・作業性等を考慮して取り替える部位134箇所、合計167箇所※2についてステンレス鋼、低合金鋼、もしくは同種材料(炭素鋼)の配管に取替えました。
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3. | 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果 |
4台ある蒸気発生器のうち、BおよびD−蒸気発生器伝熱管(計6,764本: 3,382本×2台)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。 |
4. | 燃料集合体の取り替え |
燃料集合体全数193体のうち、69体(うち48体は新燃料集合体で)を取り替えました。 なお、今回取り替えた新燃料集合体48体は集合体最高燃焼度 55,000MWd/tの高燃焼度燃料です。 また、燃料集合体の外観検査(71体)を実施した結果、異常は認められませんでした。 |
5. | 次回定期検査の予定 |
平成19年 秋頃 |
6. | その他 |
・ | 過去に製作した配管の刻印管理の確認結果 |
美浜発電所3号機主復水管修繕工事に係わる不適切な取扱い(刻印問題)について、大飯発電所2号機では、2箇所に不適切な取り扱いが発生している可能性があり、実機点検が必要と三菱重工業株式会社から報告を受けていました。(平成18年2月21日 当社ホームページに掲載) 実機評価が必要とされた2箇所について今定期検査で点検を行った結果、配管刻印は材料検査記録と合致しており、消失・打ち変え等の不適切な取扱いがないことを確認しました。 |
以 上