プレスリリース
2006
2006年6月27日
関西電力株式会社
高浜発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について
1. | 主要な工事等について |
(1)原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事 | (図−1参照) |
海外での損傷事例に鑑み、溶存酸素濃度が高く応力腐食割れの可能性がある安全注入系統の配管分岐部について、応力集中を低減させるため溶接形状を変更し、耐食性に優れた材料に取り替えました。 |
(2)1次冷却材管内構造物流体振動対策工事 | (図−2参照) |
本年1月に新しい技術基準が施行されたことを踏まえ、配管内に設置されている温度計ウェル(さや管)などの円柱状構造物の流体振動評価を行った結果、流体振動が発生する可能性があると評価された1次冷却材系統の温度計ウェル(6本)について、ウェルと1次冷却材配管の隙間を無くすなど、流体振動の発生を回避した剛構造のものと取り替えました。
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2. | 保全対策について |
(1)原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検 | (図−3参照) |
国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている、原子炉容器冷却材出入口管台、蒸気発生器冷却材出入口管台および加圧器サージ管台について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施し、異常がないことを確認しました。 |
(2)高サイクル熱疲労割れに係る点検 | (図−4参照) |
国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある余熱除去クーラバイパスライン接続部について、超音波探傷検査を実施し、異常がないことを確認しました。 |
(3)2次系配管の点検等 | (図−5参照) |
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美浜発電所3号機2次系配管破損事故を踏まえ、1,325箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施しました。 (超音波検査1,312箇所※1、内面目視点検のみ4箇所※2、内面目視点検および超音波検査9箇所※2:今回で未点検箇所の点検を終了) |
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その結果、計算必要厚さを下回っている箇所が1箇所確認されました。 この1箇所については、炭素鋼から耐食性に優れた低合金鋼の配管に取り替えました。 |
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過去の点検結果から減肉傾向の見られる部位等369箇所※について炭素鋼から耐食性に優れたステンレス鋼の配管に取り替えました。 | |||||
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(4)中央制御室への蒸気浸入に係る点検 | (図−6参照) |
美浜発電所3号機事故において、中央制御室につながるケーブルトレイおよび電線管の壁貫通部等のシール施工が不適切であったため、中央制御室への蒸気浸入が認められたことを踏まえ、中央制御室貫通部等179箇所※のシール施工状況を点検し、不適切な箇所45箇所を含む137箇所について補修を実施しました。 | |||
※ | 前回定期検査において135箇所を点検し、不適切な箇所31箇所を含む67箇所について補修を実施した。今定期検査では平成17年4月に発出された原子力安全・保安院の点検指示文書を踏まえ、点検箇所を見直し、179箇所を追加で点検した。 |
3. | 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT) |
蒸気発生器3台のうち、B−蒸気発生器伝熱管全数(3,382本)について、渦流探傷検査(ECT)を実施し異常のないことを確認しました。 |
4. | 燃料集合体の検査結果 |
燃料集合体の外観検査(22体)を実施した結果、異常は認められませんでした。
また、燃料集合体全数157体のうち73体(うち52体は新燃料集合体)を取り替えました。 |
5. | 次回定期検査の予定 |
平成19年夏頃 |
6. | その他 |
・ | 過去に製作した配管の刻印管理の確認結果 |
美浜発電所3号機主復水管修繕工事に係わる不適切な取扱い(刻印問題)について、高浜発電所2号機では、2箇所に不適切な取り扱いが発生している可能性があり、実機点検が必要と三菱重工業株式会社から報告を受けていました。(平成18年2月21日 当社ホームページに掲載)
今定期検査において、当該2箇所の実機点検を行った結果、不適切な取扱いがないことを確認しました。 |
以 上