プレスリリース
2006
2006年5月18日
関西電力株式会社
高い環境ホルモン浄化能力を持つポーチュラカの栽培・販売について
当社は、内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)浄化能力の高い園芸植物ポーチュラカの栽培に成功し、5月中旬から販売を開始することとしました。
近年、有害物質による土壌汚染が増加し、健康への影響の懸念等から、平成15年2月に土壌汚染対策法が施行されましたが、これにより特定有害物質を取り扱っている工場などを、スーパーや住宅などの用途に変更する場合には、土地の所有者に土壌汚染調査や浄化などの措置を取ることが義務付けられました。
こうした中、当社では、汚染物質の簡易な検出方法やダイオキシンの浄化作用を持つ植物の研究など、経済的な浄化方法の研究開発に取り組んでいますが、その研究過程で、ポーチュラカがビスフェノールA※など3種類の環境ホルモンに対して優れた浄化能力を持つことを、大阪大学との共同研究において平成15年7月に発見しました。メカニズムとして、ポーチュラカの根から出る酵素が、環境ホルモン分解に関係していることも確認しました。
その後、約100個のポーチュラカに対して、環境ホルモンの浄化実験を行い、その中から浄化能力が最も高い個体を選び出し、挿芽で増やして栽培を重ねることで、一定数を確保することができたことから、今回、販売することとしました。
これまでもさまざまな研究で、イネやタバコなどの植物が環境ホルモンを浄化する能力を持つことが確認されていますが、今回販売するポーチュラカは、これらの植物に比べ、浄化能力が10倍以上高く、一般のポーチュラカと比べても約2倍程度浄化能力が高くなっています。具体的には、河川水管理濃度の1万倍相当の環境ホルモンを48時間で、ほぼ100%吸収・分解します。
現在、環境ホルモンを含む工場排水などは工場内で浄化された上、河川へ放出されていますが、今後、本商品を用いた浄化処理方法を検討してまいります。
なお、本商品については、身近な植物が環境を浄化してくれることを広く知っていただき、自然の不思議や重要性を感じる機会を提供できればと考え、環境教育の教材として、企業や学校の関係者にも積極的に提案してまいります。
当社は、今回の研究で得られた植物選定方法、浄化実験方法などのノウハウを活かしながら、今後、当初の目的であるダイオキシンなどの土壌汚染物質を浄化する植物の開発を加速させ、土壌浄化による環境保全に貢献してまいります。
以 上
<参考資料>