プレスリリース

2005年11月8日
関西電力株式会社

美浜発電所1号機の原子炉起動および調整運転の再開について

1B-湿分分離加熱器加熱蒸気ドレン管温度計管台溶接部からの蒸気漏えい
[平成17年9月17日、28日 お知らせ済み]
  第21回定期検査の調整運転中(電気出力約100%)の9月17日、B-湿分分離加熱器加熱蒸気ドレン管の温度計管台溶接部からわずかな蒸気漏れが確認されたため、電気出力を約50%に抑制して、当該部を隔離し、原因調査を行った。
  原因調査の結果、温度計ウエル(温度検出部をカバーするさや管)取り付け施工時、高温割れに対する溶接施工管理が十分でなかったため、溶接初層部で高温割れが発生していた。また、今定期検査で、当該部を非破壊検査するための手直し溶接を実施した際、漏えい部付近では溶接材を使用せず、既存の溶接金属を再溶融させたため、溶接部の外表面で新たに高温割れが発生し、この割れが当初から存在していた割れと結合して貫通に至り、蒸気漏えいが発生したものと推定された。
  対策として、原子炉を停止した上で当該温度計ウエルを新品と取り替え、高温割れが発生しにくいステンレス鋼系の溶接材を用いて溶接するとともに、今回の定期検査で同様に手直し溶接を行ったA系の温度計管台についても同様の対策を実施した。
参考図-1


2B-加圧器安全弁の出口温度上昇に伴う点検
[平成17年9月29日、10月19日 お知らせ済み]
 

電気出力約50%にて運転中の9月29日、B-加圧器安全弁の出口温度の上昇を示す警報が発信し、加圧器逃がし弁および安全弁の出口温度を確認した結果、B-安全弁の出口温度が約90℃に上昇していた。

  点検の結果、B-安全弁のシート面で漏えいの痕跡が認められた。
  原因は、当該弁と出口配管とはフランジ構造となっているが、その接続部でズレが生じており、このズレは運転中の温度により更に大きくなることが判明した。このズレにより、弁のシート面での密封性が低下した状況であったこと、また、分解点検時に微小な異物がシート面に付着した可能性も否定できないことから、これらの要因によりシート漏れが発生したものと推定された。
  対策として、フランジ部でのズレをなくすため、出口側配管のフランジ部を安全弁と同様に加圧器本体に固定した。また、異物管理の徹底の観点から使用工具の清掃等について作業手順書に反映した。なお、A-安全弁についても同様な対策を行った。
参考図-2


3A-1次冷却材ポンプシール水漏えいに伴う原子炉手動停止
[平成17年9月29日、10月19日 お知らせ済み]
  出力降下中の9月29日、A-1次冷却材ポンプのメカニカルシール部で「スタンドパイプ水位注意(水位低)」警報が発信するとともに、同ポンプ軸シール部の最上部(スプラッシュガード)からシール水の漏えいを確認したため、電気出力約20%にて原子炉を手動停止した。
  調査の結果、No.3メカニカルシール部に使用しているバネ力が長期間の使用で低下していることが判明した。
  このバネ力の低下によりシール部の固定リングを回転リング側に押さえつける力が低下し、シール部の追従性が悪くなり、通常以上のシール水がNo.3シール部を流れたため、スプラッシュガードから漏えいしたものと推定された。
  対策として、No.3シール部のバネを新品に取り替えた。また、今後、定期検査毎にバネ力の評価を行い、計画的に取り替えることとした。
参考図-3
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