プレスリリース

2005年9月26日
関西電力株式会社

高浜発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について

1. 保全対策について
 (1)原子炉容器管台溶接部の応力腐食割れに係る点検 (図-1参照)
   国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材入口管台について、外観目視点検を実施し、異常がないことを確認しました。

 (2)高サイクル熱疲労割れに係る点検 (図-2参照)
   国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある余熱除去クーラバイパスライン接続部について、超音波探傷検査を実施し、異常がないことを確認しました。

 (3)2次系配管の点検等  (図-3参照)
   美浜発電所3号機事故を踏まえ、2次系配管1,209箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施しました。(超音波検査1,201箇所、目視点検のみ8箇所)
  その結果、計算必要厚さを下回っている箇所が3箇所確認され、さらに余寿命評価の結果、2箇所について次回定期検査までに計算必要厚さを下回る可能性があると評価されました。この計5箇所については、炭素鋼から耐食性に優れたステンレス鋼の配管に取り替えました。
   過去の点検結果から減肉傾向の見られる部位など、63箇所について当初計画通り炭素鋼から耐食性に優れたステンレス鋼の配管に取り替えました。

 (4)中央制御室への蒸気流入に係る点検  (図-4参照)
   美浜発電所3号機事故において、中央制御室につながるケーブルトレイおよび電線管の壁貫通部等のシール施工が不適切であったため、中央制御室への蒸気浸入が認められたことを踏まえ、中央制御室貫通部等386箇所のシール施工状況を点検し、不適切な箇所125箇所を含む230箇所について補修を実施しました。

2. 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)
   3台ある蒸気発生器のうち、AおよびC-蒸気発生器伝熱管(計6,764本:3,382本×2台)について、健全性を確認するため、渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。

3. 燃料集合体の取り替え
   燃料集合体全数157体のうち、85体(うち52体は新燃料集合体)を取り替えました。
 また、燃料集合体の外観検査(16体)を実施した結果、異常は認められませんでした。

4. 次回定期検査の予定
  平成18年秋頃

以 上
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