プレスリリース
2005
2005年9月15日
関西電力株式会社
大飯発電所1号機の定期検査開始について
1.主要な工事等について |
(1)燃料取替用水タンク取替工事 | (図-1参照) |
屋外に設置されている燃料取替用水タンク(ステンレス製)については、建設当初に外面塗装を施していなかったため、海塩粒子の付着による塩素型応力腐食割れの発生が考えられることから、応力腐食割れに強いステンレス製で、外面塗装を施した燃料取替用水タンクに取り替えます。 | ||
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今回取り替える燃料取替用水タンクは、前回定期検査(平成16年6月~11月)において、燃料取替用水タンクの変形事象が発生するとともに、未塗装期間に付着していた海塩粒子が原因の応力腐食割れによる水のにじみが認められました。このため、タンクの変形範囲について胴板の取り替えを行うとともに、割れが認められた部分について、割れを切削除去後、溶接補修を行っております。
今回の取替工事ではこれらの補修部位を含めタンク全体を取り替えます。 |
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(2)主変圧器取替工事 | (図-2参照) |
主変圧器のコイル絶縁性能が経年劣化の傾向にあるため、予防保全対策として主変圧器を取り替えます。 |
2.保全対策について |
(1)原子炉容器管台溶接部の応力腐食割れに係る点検 | (図-3参照) |
国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材出口管台、加圧器サージ管台、蒸気発生器冷却材出入口管台について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施します。 |
(2)高サイクル熱疲労割れに係る点検 | (図-4参照) |
国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある余熱除去クーラバイパスライン接続部について、超音波探傷検査を実施します。 |
(3)2次系配管の点検等 | (図-5参照) |
美浜発電所3号機事故を踏まえ、2次系配管1,136箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施します。
(超音波検査1,082箇所、目視点検54箇所) 過去の点検結果から減肉傾向の見られる部位等360箇所について、計画的に炭素鋼から耐食性の優れたステンレス鋼の配管に取り替えます。 |
(4)中央制御室への蒸気流入に係る点検 | (図-6参照) |
美浜発電所3号機事故において、中央制御室につながるケーブルトレイおよび電線管の壁貫通部等のシール施工が不適切であったため、中央制御室への蒸気浸入が認められたことを踏まえて、中央制御室貫通部等のシール施工状況を点検し、不適切な箇所については補修を行います。 |
3.燃料集合体の取替え |
燃料集合体全数193体のうち85体(うち72体は新燃料集合体。そのうち64体は55,000MWd/t高燃焼度燃料)を取り替える予定です。 |
4.今後の予定 |
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以 上