プレスリリース
2005
2005年3月14日
関西電力株式会社
大飯発電所2号機の定期検査開始について
- 1.主要な工事等について
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(1) 燃料取替用水タンク取替工事 (図-1参照) 屋外に設置されている燃料取替用水タンク(ステンレス製)については、建設当初に外面塗装を施していなかったため、海塩粒子の付着による塩素型応力腐食割れの発生が考えられることから、長期保全対策として、応力腐食割れに強いステンレス製で、外面塗装を施した燃料取替用水タンクに取り替えます。
- 2.保全対策について
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(1) 原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検 (図-2参照) 国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材出入口管台、加圧器サージ管台について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施します。
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(2) 2次系配管の肉厚検査等 (図-3参照) 美浜発電所3号機2次系配管破損事故を踏まえ、2次系配管の993箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施します。
また、過去の点検結果から減肉傾向の見られる部位等31箇所について、計画的に炭素鋼から耐食性の優れたステンレス鋼、または低合金鋼の配管に取り替えます。
※ 大飯発電所2号機は平成16年9月8日~9月22日の間、プラントを停止し、2次系配管35箇所の超音波検査(肉厚測定)を実施し、健全性を確認しています。
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(3) 復水器伝熱管からの漏えいの疑いに伴う点検 (図-4参照) 定格熱出力一定運転中の平成16年12月5日、復水ポンプ出口ナトリウム計の指示値(通常値0.01ppb程度)が上昇し、「復水ポンプ出口ナトリウム高」警報(設定値0.1ppb)が発信しました。このため、復水器伝熱管の内部を流れる海水が復水器内に混入している可能性があると推定しましたが、指示値は同日中に通常値に戻りました。 (平成16年12月6日 お知らせ済み)その後、引き続き監視強化して運転を継続していましたが、指示値に変動(通常値~約2ppbの間で変動)が見られることから、今定期検査において復水器伝熱管のリークテスト等の調査を実施します。
- 3.燃料集合体の取り替え
- 燃料集合体全数193体のうち81体(うち60体は新燃料集合体)を取り替える予定です。
なお、新燃料集合体60体のうち、52体は集合体最高燃焼度 55,000MWd/tの高燃焼度燃料です。
- 4.今後の予定
- 原子炉起動、臨界:平成17年5月中旬
調整運転開始 :平成17年5月下旬
本格運転再開 :平成17年6月中旬
なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。
以 上