プレスリリース

2005

ポスト

2005年2月28日
関西電力株式会社

美浜発電所２号機の原子炉起動および調整運転の開始について

１．主要な工事等について
	・	格納容器送気ラインベローズ取替工事（図-１参照）　　　　前回定期検査において、格納容器送気ライン^*1のベローズ（伸縮継手）に貫通穴が確認されたことから、接着剤による補修を行いました。　　　　今回定期検査においては、今後の保全に万全を期す観点から当該ベローズおよび前後の配管を、同仕様（ステンレス）のものに取り替えました。
		*1：格納容器送気ライン　　　定期検査などのプラント停止時に、格納容器内へ送る外気を通す配管

２．保全対策について
	（１）	原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検（図-２参照）　　　　国内外ＰＷＲプラントにおいて、６００系ニッケル基合金を用いた原子炉容器上部ふた管台や１次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、溶接箇所に６００系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材出口管台、原子炉容器炉内計装筒管台、蒸気発生器冷却材出入口管台等について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施し、異常がないことを確認しました。

	（２）	高サイクル熱疲労割れに係る点検（図-３参照）　　　　国内ＰＷＲプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある余熱除去ポンプ入口ミニマムフローライン接続部等について、超音波探傷検査を実施し、異常がないことを確認しました。

	（３）	２次系配管の肉厚検査等（図-４参照）
		美浜発電所３号機２次系配管破損事故を踏まえ、配管肉厚測定対象範囲を拡大し１，２７１箇所について超音波検査（肉厚測定）を実施しました。　また、美浜発電所３号機での配管肉厚測定において、計算必要厚さを満足しない箇所等の対応として追加で８７箇所（蒸気発生器ブローダウン系統のステンレス鋼の配管等）について超音波検査（肉厚測定）を実施しました。　その結果、補助給水ポンプミニマムフロー管において、計算必要最小厚さと同じ厚さとなっている部位の配管を炭素鋼からステンレス鋼に取り替えました。　この１箇所を除く炭素鋼の配管については、全て、計算必要厚さを満足しており、余寿命を評価した結果、次回定期検査までに計算必要厚さを下回ると評価された部位はありませんでした。また、ステンレス鋼、低合金鋼の配管については、全て著しい減肉は認められておりません。　なお、当初の計画どおり、過去の点検結果から減肉傾向の見られる８箇所の部位について、炭素鋼または耐食性に優れたステンレス鋼、低合金鋼の配管に取り替えました。

３．蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査（ＥＣＴ）の結果
	２台ある蒸気発生器のうち、Ａ－蒸気発生器伝熱管（３，３８２本）について、健全性を確認するため渦流探傷検査（ＥＣＴ）を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。

４．燃料集合体の取り替え
	燃料集合体全数１２１体のうち、３７体（うち２４体は新燃料集合体）を取り替えました。　また、燃料集合体の外観検査（２４体）を実施した結果、異常は認められませんでした。

５．次回定期検査の予定
	平成１８年春頃

以　上