プレスリリース

2004年11月10日

世界初の重金属検出バイオセンサーの開発について

 当社はこの度、財団法人電力中央研究所と協力し、カドミウム・水銀・亜鉛といった重金属を識別できる抗体(※1) の開発に成功しました。さらに、カドミウムを識別できる抗体を用い、世界で初めて、土壌・食料品などに含まれるカドミウムを容易に検出できるバイオセンサー(※2)の開発に成功しました。

  (※1)   特定の相手(抗原)とだけ結合する生体内物質。
  (※2)   検出対象物質識別部分に生物由来のもの(生体分子など)を用いるセンサー。
生物の持つ優れた分子識別力を利用するため、従来の測定装置に比べ格段に簡便。

 平成15年2月に土壌汚染対策法が施行され、土壌の汚染調査が義務づけられましたが、従来の機器分析方法では汚染物質の検出に時間がかかるため、汚染調査や浄化工事を進める上で大きな障害となってきました。このため、現場で迅速かつ簡単に検出できる方法へのニーズが高まっています。

 当社がこの度開発したバイオセンサーはリトマス試験紙型で、重金属の有無を発色により肉眼で判定する仕組みにより、特別な装置を用いずに迅速かつ簡便に検出することができます。従来の機器分析方法と比較すると、1検体あたり検出時間は約1週間が6〜8時間に短縮されます。

 本製品の使用用途としては、土壌汚染調査時の汚染の判定、汚染範囲の特定、浄化効果の確認を見込んでおり、当社グループ会社の関電ジオレ、環境総合テクノスにおいての活用を目指してまいります。それ以外にも、医療、食料品、住宅分野において活用できる可能性があると考えており、具体的には、米のカドミウム検出への適用について期待されているところです。

 当社は今後さらに、他の重金属を識別できる抗体、バイオセンサーを開発し、環境保全、食の安全への貢献に取り組んでまいります。

以 上

プレスリリース