プレスリリース

2004年8月9日

高浜発電所4号機の定期検査開始について

1.主要な工事等について
(1)原子炉補機冷却水冷却器伝熱管補修工事(図-1参照
 設備の信頼性維持の観点より、4台ある原子炉補機冷却水冷却器の伝熱管全数(既施栓管を除く11,385本)について、渦流探傷検査(ECT)を実施し、有意な信号が認められた伝熱管については、施栓または同形状、同材質の新しい伝熱管に取り替えるとともに、既施栓管(23本)についても、必要に応じ同形状、同材質の新しい伝熱管に取り替えます。
(2)2次系熱交換器他取替工事(図-2参照)    
 2次系給水系統の水質向上対策として、高圧給水加熱器、第1低圧給水加熱器、第2低圧給水加熱器伝熱管について、銅合金製から耐食性に優れたステンレス製に取り替えます。これにより、蒸気発生器への不純物持ち込み低減を図ります。
 
 
2.保全対策について
(1)原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検             
 国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた原子炉容器上部ふた管台や1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、以下の点検を行います。
原子炉容器上部ふた管台の点検(図-3参照
 原子炉容器上部ふた管台全数(66本)について、上部ふた表面の外観目視点検により漏えいのないことを確認します。 また、管台母材部における応力腐食割れの発生予測時間の比較的短い同号機において、検査データの蓄積を図る観点から、予備管台(10本)を除く56本の原子炉容器上部ふた管台母材部について、渦流探傷検査(ECT)を実施します。
1次冷却材系統管台溶接部等の点検(図-4参照)     
 溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材出口管台、加圧器逃がし弁管台、加圧器安全弁管台等について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施し、漏えいのないことを確認します。
(2)高サイクル熱疲労割れに係る点検(図-5参照)     
 国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある再生熱交換器の胴側出口配管部や余熱除去ポンプ入口ミニマムフローライン接続部などについて、超音波探傷検査を実施します。
(3)主蒸気・主給水配管の検査(図-6参照
 大飯発電所1号機において、2次系主給水配管の主給水隔離弁下流の配管曲がり部で、水流の乱れに起因するエロージョン・コロージョンによる減肉が進展した事象に鑑み、今定期検査より、定期事業者検査として、主給水隔離弁から蒸気発生器入口までの配管および蒸気発生器出口から主蒸気隔離弁までの配管について、計画的に肉厚測定を実施します。
 
 
3.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)               
 3台ある蒸気発生器の伝熱管全数(既施栓管を除く10,097本)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施します。有意な信号が認められた伝熱管については、伝熱管補修工事により施栓します。    
 なお、高浜3号機の前回定期検査(平成15年度)で導入した、検出性を向上させたマルチコイル型(インテリジェント)ECT検査装置を今定期検査から導入します。
 
4.燃料集合体の取替え   
 燃料集合体全数157体のうち60体(全て新燃料集合体)を取り替える予定です。
 
 
5.今後の予定    
原子炉起動、臨界:平成16年10月中旬    
調整運転開始   :平成16年10月中旬    
本格運転再開   :平成16年11月上旬
 
なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。
 
以 上
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