プレスリリース
2004
2004年4月15日
大飯発電所3号機の定期検査開始について
- 1.保全対策について
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(1) 原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検(図-1参照)
国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材出入口管台、原子炉容器底部の炉内計装筒管台、蒸気発生器冷却材出入口管台や加圧器逃し弁管台等について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施します。(2) 高サイクル熱疲労割れに係る点検(図-2参照) 国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある余熱除去ポンプ入口ミニマムフローライン接続部などについて、超音波探傷検査を実施します。
- 2.燃料集合体の取替え
- 燃料集合体全数193体のうち81体(うち68体は新燃料集合体)を取り替える予定です。
- 3.今後の予定
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原子炉起動、臨界 :平成16年5月下旬 調整運転開始 :平成16年5月下旬 本格運転再開 :平成16年6月下旬
- 4.その他
- 燃料集合体漏えいの疑いに伴う燃料集合体検査定格熱出力一定運転中の平成16年2月25日、定例の1次冷却材中よう素濃度(I131)のサンプリング分析(3回/週)を行った結果、通常値(0.6Bq/cm3)をわずかに上回る値(0.98Bq/cm3)が確認され、その後、1次冷却材中の放射能濃度測定頻度を増加して監視を強化していましたが、その濃度はほぼ一定の値で推移しているものの通常値を上回るレベルであったことから、3月2日、燃料集合体に漏えいが発生した疑いがあるものと判断しました。(3月16日、記者発表済み)
このため、今定期検査において漏えい燃料集合体を特定するため、燃料集合体全数(193体)について燃料集合体シッピング検査(※)を行います。
なお、特定された漏えい燃料集合体については、外観検査を行い、今後は使用しないこととします。
※ 燃料集合体シッピング検査:漏えい燃料集合体から漏れ出てくる核分裂生成物(キセノン133)を検出し、バックグ ラウンドと比較することにより、漏えい燃料集合体かどうかを判断する検査。
以 上
<参考資料>