プレスリリース

2004年4月15日

当社原子力発電所の平成16年度保守運営計画について

 当社は、原子力発電所における平成16年度の保守・運営計画を、以下のとおり策定いたしました。なお、本計画については、安全協定等に基づき福井県及び関係市町に対して報告を行っております。

  1. 運転計画の概要
    (1) 定期検査計画について【資料-1参照
       当社原子力発電所11プラントのうち、美浜発電所1号機・高浜発電所3号機を除く9プラントにおいて定期検査を計画しており、検査の所要日数(発電停止期間)の平均は約2ヶ月で計画しています。
     このうち、比較的長期間の定期検査を行うプラントは、美浜発電所3号機及び大飯発電所2号機であり、2次系熱交換器他取替工事のため、約3ヶ月の日数で計画しています。
     一方、最も短期間の定期検査を行うプラントは、大飯発電所4号機であり、約1ヶ月の日数で計画しています。
    (2) 発電計画【資料-1参照
       上記の定期検査計画で発電所を運転していくと、当社原子力発電所の総発電電力量は約742億kWh(設備利用率:約87%、設備稼働率:約89%)となる見込みであり、当社電力供給エリアの5割近くを原子力発電において供給する計画です。 なお、上記の発電電力量には、昨年度中に全てのプラントで導入した定格熱出力一定運転により見込まれる増加分、約19億kWh(設備利用率の約2%相当)を含んでいます。
    (3) 定期検査における燃料取替計画について【資料-2参照
       各プラントの定期検査において、装荷されている燃料の一部を新燃料に取り替えます。 この内、大飯発電所2号機と同4号機においては、高燃焼度(55,000MWd/t)燃料を取り替える新燃料に含めることで計画しています。



  2. 原子炉設置変更許可申請計画の概要【図-1参照】  
     使用済燃料の発生量低減を目的とした高燃焼度(55,000MWd/t)燃料の導入について、高浜発電所1、2号機において設置変更許可申請を行うことを計画しています。  
     また、同申請に合わせて高浜発電所3、4号機の使用済燃料貯蔵設備における貯蔵対象燃料の中に、高浜発電所1、2号機において使用済みとなった場合の高燃焼度(55,000MWd/t)燃料を含めるように記載の変更を行う予定です。


  3. 主要設備の増設および改造工事計画の概要【資料-3図211参照】  
     保全計画に基づき、設備の信頼性維持・向上対策や運用および保守性向上対策について、必要な時期や工事内容等を精査した結果、主要な工事として以下に示す工事を含め、資料-3に示す工事を計画しています。


    主変圧器取替工事
       設備の信頼性維持の観点より、予防保全対策として主変圧器一式を取り替えます。今年度は、高浜発電所1号機で実施します。  
     また、取り替える主変圧器の定格容量が若干増加されるため「定格熱出力一定運転実施に伴う発電設備の健全性評価書」に記載されている電気設備の使用上限について健全性の再評価を行い、改めて経済産業省に提出しています。  
     なお、主変圧器取替に伴い、既に運用している定格熱出力一定運転の電気出力に影響を及ぼすものではありません。
       
    使用済燃料貯蔵設備増強工事  貯蔵能力の裕度を確保するため、平成13年度に完成した美浜発電所3号機と同様に、使用済燃料ピットの使用済燃料ラックの一部について、ボロンを添加したステンレス鋼を使用することで稠密化が図れる新ラックに取替え、燃料貯蔵設備の増強を行います。今年度は、高浜発電所4号機において工事を開始する計画です。
       
    低線量使用済樹脂排出配管設置工事  低線量の使用済樹脂を焼却減容処理するため、使用済樹脂を脱塩塔や使用済樹脂貯蔵タンクから受入容器に移送する配管を設置します。高浜発電所3、4号機は本年3月より実施しており、引き続き、本年度に高浜発電所1、2号機、大飯発電所1、2号機において工事を開始する計画です。
       
    使用済燃料輸送容器保管建屋設置  使用済燃料搬出作業の円滑化のため、使用済燃料輸送容器を一時保管する建屋を構内に設置します。高浜発電所において、昨年8月より工事を開始しており、本年内に完了する予定です。



  4. 新燃料・使用済燃料輸送計画の概要
    (1) 新燃料集合体【資料-4参照
       当社原子力発電所11プラントのうち、高浜発電所1号機を除く10プラントへ次回以降の運転に必要な新燃料の確保を目的として、国内及び国外から合計576体を搬入する計画です。
    (2) 使用済燃料集合体【資料-5参照
       当社原子力発電所11プラントのうち、美浜発電所1、2、3号機及び高浜発電所3、4号機の5プラントから、燃料再処理を目的として使用済燃料の受け入れ施設へ合計256体を搬出する計画です。
     なお、受け入れ施設の1つである日本原燃(株)六ヶ所再処理工場においては、燃料貯蔵設備に係る点検に伴い、一時的に受け入れが中断されているため、輸送時期については確定していない状況です。



  5. 低レベル放射性固体廃棄物輸送計画の概要【資料-6参照
     美浜発電所及び大飯発電所から、低レベル放射性固体廃棄物の受け入れ施設へ2,936本(全て、充填固化体の廃棄物)を搬出する計画です。
図1〜11 PDF(484KB)
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