プレスリリース

2004年3月19日

大飯発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について     

  1.  主要な工事    
    1次冷却材ポンプ供用期間中検査  (図-1参照)     
     1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、4台ある1次冷却材ポンプのうち、A-1次冷却材ポンプについて、主フランジボルト並びに同締め付け部等の耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検を行い、健全性を確認しました。


  2. 保全対策について

    (1) 原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検  (図-2参照
       国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材出入口管台、原子炉容器底部の炉内計装筒管台および加圧器サージ管台について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施し、異常のないことを確認しました。
       
    (2) 高サイクル熱疲労割れに係る点検  (図-3参照
       国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある余熱除去ポンプ入口ミ ニマムフローライン接続部等について、超音波探傷検査を実施し、健全性を確認しました。
       
    (3) 余熱除去系統他配管の点検工事  (図-4参照
       国内PWRプラントのステンレス配管に貼り付けられた塩化ビニールテープが原因で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、余熱除去系統や化学体積制御系統等の配管について、配管外表面の点検を行った結果、72箇所に塩化ビニールテープの貼り付け跡が認められました。
     塩化ビニールテープの貼り付け跡が認められた箇所について、浸透探傷検査を実施した結果、3箇所に浸透指示模様が認められたことから、当該配管の最小厚さを満足しているが、今後の継続的な点検に伴う作業性等を勘案し、同種の配管に取り替えました。     
     なお、前回(第17回)定期検査で指示が認められ、深さ測定にて配管の最小厚さを満足していることが確認されている8箇所について、今後の継続的な点検に伴う作業性等を勘案し、同種の配管に取り替えました。
       
    (4) 海塩粒子による応力腐食割れに係る点検
       国内プラントにおいて、ステンレス配管に海塩粒子が付着し、応力腐食割れが発生した事例に鑑み、海塩粒子が付着しやすい場所にあるステンレス配管(海水系配管下方にある配管等)32箇所について、目視点検および配管表面の塩分量測定を実施し、異常がないことを確認しました。     
     また、屋外に設置されている燃料取替用水タンク(ステンレス製)についても目視点検および浸透探傷検査点検を実施し、異常がないことを確認しました。
       
                           
  3. 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果
     4台ある蒸気発生器のうち、BおよびD-蒸気発生器伝熱管(計6,764本: 3,382本×2台)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。


  4. 燃料集合体の検査結果    
     燃料集合体(17体)について外観検査を実施した結果、異常は認められませんでした。   
     また、燃料集合体全数193体のうち81体(うち60体は新燃料集合体)を取り替えました。


  5. 次回定期検査の予定   
     平成17年春頃

以 上

<参考資料>

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