プレスリリース

2004年3月2日

美浜発電所1号機の調整運転開始について
(タービン過速度トリップ試験における不具合の点検結果)

 定期検査中の美浜発電所1号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力34万キロワット、定格熱出力103万1千キロワット)は、平成16年2月27日に原子炉を起動し、翌28日3時35分に原子炉が臨界に達し、調整運転開始は3月1日午前中になる見込みでした。

(それぞれ2月27日、28日、29日お知らせ済み)  

 その後、3月1日に「タービン過速度トリップ試験(油圧試験)」*1を行っていたところ、過速度トリップ装置*2が正常に作動しないことから、タービンを停止し、各部の点検を実施することにしました。このため、3月1日午前中に予定していた調整運転開始が再度遅れることになりました。

(3月1日お知らせ済み)

*1: 過速度トリップ試験(油圧試験)
  タービンの回転数の上昇を試験油圧を上げて模擬することにより、過速度トリップ装置を動作させることで、同装置の健全性を確認する試験。
*2: 過速度トリップ装置
  タービンの回転数が設定値より高くなると、タービンを停止させる装置。

 本日3月2日、過速度トリップ装置の点検を行い、その後、過速度トリップ装置が正常に作動することを確認したため、諸準備が整い次第、本日中に調整運転を開始する予定ですのでお知らせします。

<過速度トリップ装置点検概要>  

 タービン過速度トリップ試験(油圧試験)は、「タービンの回転数が異常にあがった」という状態(過速度状態)を、「油圧をかける」ことで模擬的につくりあげて実施するものです。  
 点検を行った結果、タービン組み立て時に、危急しゃ断子に油(高圧油)を供給するノズルが取り付けられているブロックの位置がずれたことに伴い、当該ノズルの位置がずれて、危急しゃ断子を動作させる十分な油圧が供給されなかったことから、過速度状態を模擬できなかったことにより、過速度トリップ装置が作動しなかったものと推定されました。  
 このため、当該ノズルが取り付けられているブロックを正規の位置に調整して、再度タービン過速度トリップ試験(油圧試験)を実施し、過速度トリップ装置が正常に作動することを確認しました。  
 なお、ノズル位置がずれていた原因は、タービン組立て時に重量物が接触したためと推定されました。     

 対策として、今後はタービン組み立て終了後に当該ノズルが取り付けられたブロック等の据え付け位置が適正であることを確認することとし、その旨、作業要領書に記載することとしました。

※ 危急しゃ断子:タービンが過速度となった際に、タービン軸から飛び出して、トリッ プ装置を動作させるもの。

以 上

<参考資料>


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