プレスリリース

2004年2月23日

美浜発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について

  1. 保全対策について
    (1) 原子炉容器管台溶接部等における応力腐食割れに係る点検(図-1参照
       国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた原子炉容器冷却材管台や加圧器管台の溶接部などに応力腐食割れが発生した事例に鑑み、溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器の冷却材出入口管台および原子炉容器底部の炉内計装筒管台について、漏えいの有無を確認するため目視点検を実施し、異常がないことを確認しました。
       
    (2) 高サイクル熱疲労割れに係る点検                (図-2参照
       国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある余熱除去ポンプ入口ミニマムフローライン接続部などについて、超音波探傷検査を実施し、異常がないことを確認しました。  
       
    (3) 余熱除去系統他配管の点検
       国内PWRプラントのステンレス配管に貼り付けられた塩化ビニールテープが原因で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、余熱除去系統や化学体積制御系統等の配管13箇所について、配管外表面の点検を行った結果、塩化ビニールテープの貼り付け跡が認められませんでした。
       
    (4) 海塩粒子による応力腐食割れに係る点検
       国内プラントにおいて、ステンレス配管に海塩粒子が付着し、応力腐食割れが発生した事例に鑑み、海塩粒子が付着しやすい場所にあるステンレス配管34箇所について、目視点検および配管表面の塩分量測定を実施し、異常がないことを確認しました。
     また、ステンレス配管の上部にある海水系配管1箇所について、目視点検を実施し、海水の漏えいが無いことを確認しました。

                        
  2. 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果    
     2台ある蒸気発生器のうち、B-蒸気発生器伝熱管(2,918本)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。


  3. 燃料集合体の検査結果    
     燃料集合体の外観検査(16体)を実施した結果、異常は認められませんでした。
     また、燃料集合体全数121体のうち41体(うち30体は新燃料集合体)を取り替えました。


  4. 次回定期検査の予定    
     平成17年の春頃

以 上

<参考資料>

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