プレスリリース

2004年2月9日

電力線通信(PLC)インターネット機器を中国で受注
~巨大マーケット参入への足がかりに~

 きんでんの子会社である株式会社プレミネットは、この度、中国国家電網公司(*1)傘下の通信会社「中電飛華(ちゅうでんひか)通信有限公司」より、2,000世帯分の電力線通信(PLC)インターネット機器を受注しました。

(*1) かつて中国全土の電気事業を統括していた中国国家電力公司が、2003年3月の再編により分離・分割されて設立した企業体。中国北部、東北部の送配電事業を担当する。

 プレミネットと関西電力子会社のラインコムは、平成15年3月から、北京市内の集合住宅150世帯を対象としたPLC実証実験に共同で参画しています。この度、そのシステムの安定性と高速性が、実験主催者である中国国家電網公司から高く評価された結果、プレミネット・ラインコムグループ(*2)の機器を用いた実験対象が2,000世帯に拡大されることになりました。これに伴い、これまで実験に使用してきた150世帯分を含め、この拡大実験で必要になる合計2,000世帯分の機器について、販売契約を締結したものです。実験には他社グループも参加していますが、他社がPLCのみのネットワークを構築できず、同軸ケーブルやLANケーブルとPLCを組み合わせたネットワークとしているところを、プレミネット・ラインコムグループ(*2)だけが、完全なPLCのみのネットワークを構築して伝送に成功しました。さらに、イスラエルのITRAN(イトラン)社が開発した高度変調技術(*3)の採用による感度の良さや動作の安定性、さらにはコストの低さなどが、中国国家電網公司から非常に高い評価を受けました。   

(*2) プレミネット・ラインコムグループの構成メンバー    
技術協力 … ITRAN Communications社(イスラエル)、株式会社マクニカ    
機器製造 … アルプス電気株式会社ほか
(*3) デジタル信号を、元の信号より広い帯域に拡散させて送信し、受信側で元のデジタル信号を復元する変調技術で、高度スペクトラム拡散変調技術という。ノイズに強く、機密性を確保できる。

 契約内容は下記のとおりで、PLC機器の販売後も、販売先での実証実験が継続されることから、両社は引き続き、技術サポートを実施してまいります。また引き続き、日本国内でのPLC技術の利用に向けて、漏洩電波の測定といった検証も行ってまいります。

【PLCインターネット機器販売契約の内容】
●契 約 先 中電飛華(ちゅうでんひか)通信有限公司
●販売機器 プレミネット社のPLAM2500シリーズ(最大伝送速度:2.5Mbps)用モデムおよび中継機器(モデム2,000機、中継機器200機 他)
●販売対象 大規模集合住宅、高層住宅、ホテルなど約100カ所2,000世帯
●技術サポート 機器設置工事を行う中電飛華通信の技術者への現地教育、追加機能の共同開発等  

 中国では今後、本格的に電力線通信システムの導入が進み、ADSL等を含むブロードバンド市場で、PLCが30%程度のシェアを獲得する可能性があります。PLCは数年後には、世帯数で数千万世帯(*4)、市場規模で数百億円の巨大マーケットになることが期待できます。  
 この実証実験の後、中国側の本格的な機器調達入札が始まると予想されることから、プレミネットとラインコムは、今回の契約受注を巨大マーケット参入への足がかりとするため、親会社のきんでん、関西電力と共に、更なる高速システムの投入を目指し、開発を進めてまいります。

(*4) 2003年上半期で、中国のインターネットユーザー数は6,800万加入、ブロードバンドユーザー数は980万加入。そのうち光ファイバに屋内LANを組み合わせている方式が32%あり、今後これらの屋内LAN部分がPLCに置き換わると推定される。ブロードバンド市場の成長率は現在、年間約200%。

以 上

<参考資料>


プレスリリース