プレスリリース

2004年1月30日

高浜発電所3号機の定期検査状況について(蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果の原因と対策)

 高浜発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット)は、平成15年12月18日から第15回定期検査を実施していますが、蒸気発生器伝熱管の健全性を確認するため、検出精度を向上させたマルチコイル型(インテリジェント)ECT*1を導入し渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、合計311本に判定基準*2を超える信号(有意な信号指示)が認められました。
 有意な信号指示は、伝熱管外表面の減肉指示で、平成3年まで旧振止め金具が取り付けられていた位置に確認されました。
 念のため、有意な信号指示が認められた伝熱管の抜管調査(1本)を行い、伝熱管外表面の減肉であること、および減肉部に光沢が認められず摩耗の進展性のないことを確認しました。
 対策として、有意な信号指示が認められた伝熱管については、機械式栓にて施栓を実施する予定です。
 なお、この事象による環境への放射能の影響はありませんでした。

*1: マルチコイル型
  (インテリジェント)ECT 全周に対して渦電流の発生と検出を別々のコイルを用いた24組のコイルで伝熱管の欠陥による渦電流の変化を信号として検出する装置。
*2: 判定基準
伝熱管肉厚の20%減肉以上の信号指示。
【平成16年1月23日お知らせ済み】
  1. 調査結果  
     有意な信号指示が確認されたことについて調査した結果は以下のとおりです。
    旧振止め金具部伝熱管外表面の摩耗減肉以外に新たな事実は認められませんでした。
    マルチコイル型(インテリジェント)ECTで有意な信号指示が認められた部位について、これまでに採取したDF-ECT*3データの履歴調査を実施した結果、経年変化がないことを確認しました。
    マルチコイル型(インテリジェント)ECTは、局所的な減肉の変化をとらえることができるため、検出精度および深さ評価精度が向上していることを確認しました。    

    *3: DF-ECT(従来型)
      全周に対して渦電流の発生と検出と同じコイルを用いた1組のコイルで伝熱管の欠陥による渦電流の変化を信号として検出する装置。


  2. 推定原因
     今回認められた有意な信号指示は、過去に発生した旧振止め金具部伝熱管の摩耗減肉と推定されました。
     なお、マルチコイル型(インテリジェント)ECTにより検出精度および深さ評価精度が向上したことにより、有意な信号指示として311本検出されたものと推定されました。


  3. 対  策
     有意な信号指示が認められた伝熱管については、機械式栓にて施栓します。
                                         

以 上

(経済産業省によるINESの暫定評価)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
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INES:国際原子力事象評価尺度

<参考資料>


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