プレスリリース
2004
2004年1月29日
大飯発電所の高燃焼度燃料の使用計画及び使用済の樹脂の処理方法の変更計画に係る地元ご了解について
- 1.高燃焼度燃料の使用計画
- (1)変更する施設名及び変更内容
1〜4号機における取替燃料として、現在使用している燃料(集合体最高燃焼度48,000MWd/t;高燃焼度化ステップ1)※1より最高燃焼度制限を引き上げた高燃焼度燃料(集合体最高燃焼度55,000MWd/t;高燃焼度化ステップ2)※2を使用する。
※1 大飯発電所では平成3年度から使用している。以下、現行燃料という。
※2 以下、高燃焼度燃料という。 - (2)変更理由
使用済燃料の発生量低減を目的として、高燃焼度燃料を使用する。 - (3)構造及び設備(第1表及び第1図参照)
高燃焼度燃料の仕様は以下のとおりである。
・高燃焼度燃料の基本構造
高燃焼度燃料の基本的な構造、寸法、形状等は現行燃料と同一である。
・燃料集合体最高燃焼度
55,000MWd/t
・ウラン235濃縮度
約4.8wt%以下
ただし、ガドリニア入り二酸化ウランペレットは約3.2wt%以下
・ガドリニア入り二酸化ウランペレットのガドリニア濃度
約10wt%以下
・ペレット密度
理論密度の約97%
ただし、ガドリニア入り二酸化ウランペレットは理論密度の約96%
・被覆管材料
ジルコニウム基合金 (ジルカロイ-4の合金成分を調整し、
ニオブ等を添加したもの及びジルコニウム-ニオブ合金にスズ、
鉄を添加したもの)
-
(4)装荷計画
高燃焼度燃料は、平成16年度に実施予定の大飯発電所4号機第9回定期検査にて装荷を行い、その後、大飯発電所の他の号機についても、順次装荷する予定である。
2.使用済の樹脂の処理方法の変更計画- (1)変更内容(第2図参照)
1号及び2号機の脱塩塔から発生する使用済樹脂(イオン交換器廃樹脂)のうち、放射線量の低い樹脂(以下「低線量の樹脂」という)については、廃樹脂処理装置で処理せず、3号及び4号機廃棄物処理建屋内の雑固体焼却設備(1号~4号機共用)で雑固体廃棄物として焼却減容する処理方法を追加する。
また、廃樹脂処理装置から発生する濃縮廃液は、貯蔵保管することとし、廃樹脂処理装置内の濃縮廃液タンク( 以下「濃縮廃液タンク」という )2基を1号及び2号機補助建屋内に増設(約40m3)し貯蔵余裕を確保する。 - (2)変更理由
これまで、1号及び2号機から発生する使用済樹脂の全量を廃樹脂処理装置で処理し、処理に伴い発生する濃縮廃液は、濃縮廃液タンク(1基)で貯蔵後、固化処理し埋設処分することとしていた。
しかし、近年比較的放射能濃度の高い低レベル廃棄物に関する濃度基準等の制度整備がなされたことを踏まえて処分計画を変更し、当面の間貯蔵保管することとする。
この埋設処分の具体化にはまだ時間を要することから、この間の貯蔵容量を確保することを目的として、低線量の樹脂を焼却減容し、濃縮廃液の発生量を抑制するとともに、濃縮廃液タンクを2基増設する。 - (3)濃縮廃液の処分について
濃縮廃液は、最終的に固化処理し比較的放射能濃度の高い低レベル廃棄物として埋設処分する計画である。
この処分に備え、発電所での固化処理方法の確立に向けた検討を行うこととし、現在設置してある固化処理装置を用いた処理については必要に応じ実施することとする。 - (4)構造及び設備
脱塩塔から発生する使用済樹脂のうち低線量の樹脂を容器に抜き取るための配管等を1号及び2号機の原子炉補助建屋内に設置する。
また、廃樹脂処理装置内の濃縮廃液タンク2基を1号及び2号機原子炉補助建屋内の1号機側の予備区画内に設置する。 - (5)工事計画
低線量使用済樹脂排出配管設置工事
1号及び2号機:平成16年12月~平成17年3月
廃樹脂処理装置内濃縮廃液タンク増設工事
1号及び2号機:平成17年7月~平成18年3月
<参考資料>