プレスリリース

2004年1月23日

高浜発電所3号機の定期検査状況について (蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果)

 高浜発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット)は、平成15年12月18日から第15回定期検査を実施していますが、蒸気発生器伝熱管の健全性を確認するため、3台の蒸気発生器の伝熱管全数(既施栓管を除く10,097本)について、検出性を向上させたマルチコイル型(インテリジェント)ECT *1を導入し渦流探傷検査(ECT)を実施しました。
 検査結果は以下のとおりです。  

 渦流探傷検査(ECT)の結果、A-蒸気発生器伝熱管94本、B-蒸気発生器伝熱管110本およびC-蒸気発生器伝熱管107本の計311本に判定基準*2を超える信号(有意な信号指示)が認められました。
 有意な信号指示は、伝熱管外表面の減肉指示で、平成3年まで旧振止め金具が取り付けられていた位置に確認されました
* 3。念のため、有意な信号指示が認められた伝熱管の抜管調査(1本)を行い、伝熱管外表面の減肉であること、および減肉部に光沢が認められず摩耗の進展性のないことを確認しました。
 また、新しい振止め金具が取り付けられている位置や、これまで応力腐食割れが確認されている高温側管板拡管部等には、有意な信号指示は確認されていません。

 現在、有意な信号指示が確認されたことについて調査中です。
 対策として、有意な信号指示が認められた伝熱管については、機械式栓にて施栓を実施する予定です。  
 なお、この事象による環境への放射能の影響はありませんでした。

* 1: マルチコイル型(インテリジェント)ECT
  全周に対して渦電流の発生と検出を別々のコイルを用いた24組のコイルで伝熱管の欠陥による渦電流の変化を信号として検出する装置。
* 2: 判定基準 伝熱管肉厚の20%減肉以上の信号指示。
* 3: 旧振止め金具位置での伝熱管の減肉
  第4回(H1)と第5回(H3)定期検査での渦流探傷検査において、伝熱管外表面の減肉指示が確認され、合計25本の伝熱管を施栓しました。調査の結果、当初から取り付けられている振止め金具(旧振止め金具)と伝熱管との間にすき間があったことから、外表面を流れる流体の力により伝熱管が振動し、旧振止め金具と接触・摩耗し、減肉したものと推定されました。このため、第5回定期検査において、当初から取り付けられていた旧振止め金具を取り外し、別の位置に材質や構造等を改良した新しい振止め金具を取り付けました。

以 上

(経済産業省によるINESの暫定評価)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
- - 0- 0-
INES:国際原子力事象評価尺度

(参考)蒸気発生器伝熱管信号指示本数および施栓状況
  A-蒸気発生器 B-蒸気発生器 C-蒸気発生器 合 計
設備総本数 3,382本 3,382本 3,382本 10,146本
既施栓本数 14本 24本 11本 49本
検査対象本数 3,368本 3,358本 3,371本 10,097本
信号指示本数 94本 110本 107本 311本

<参考資料>


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