プレスリリース

2003年12月16日

高浜発電所3号機の定期検査開始について

  1. 今回の定期検査を利用して実施する主要な工事
    原子炉補機冷却水冷却器伝熱管補修工事  (図-1参照
     設備の信頼性維持の観点より、4台ある原子炉補機冷却水冷却器の内2台(A,B号機)の伝熱管の既施栓管については、同形状、同材質の新しい伝熱管に取り替えます。
     また、原子炉補機冷却水冷却器4台の伝熱管全数(既施栓管を除く11,315本)について、渦流探傷検査(ECT)を行い、有意な信号が認められた伝熱管については、施栓または新しい伝熱管に取り替えます。


  2. 今定期検査中に実施する保全対策について
    (1)加圧器逃がし弁管台等溶接部のひび割れに係る点検  (図-2参照
       国内PWRプラントにおいて、加圧器逃がし弁用の管台溶接部に、応力腐食割れが発生した事例に鑑み、加圧器管台の目視点検および加圧器逃し弁、安全弁管台について、超音波探傷検査を実施します。

    (2)再生熱交換器胴側出口配管からの漏えい係る点検  (図-2参照
       国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部に、温度ゆらぎによる熱疲労が主な要因となり、ひび割れが発生した事例に鑑み、同様の配管について、超音波探傷検査等を実施します。

    (3)余熱除去系統他配管の点検工事
       国内PWRプラントのステンレス配管に貼り付けられた塩化ビニールテープが原因で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、余熱除去系統や化学体積制御系統等の配管について配管外表面の点検を行い、塩化ビニールテープの貼り付け跡が認められた箇所については、浸透探傷検査(PT)を実施します。

    (4)海塩粒子による応力腐食割れに係る点検
       国内プラントにおいて、ステンレス配管に海塩粒子が付着し、応力腐食割れが発生した事例に鑑み、海塩粒子が付着しやすい場所にあるステンレス配管(海水系配管下方にある配管等)について、目視点検および配管表面の塩分量測定を実施します。



  3. 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)  (参考図参照
     3台ある蒸気発生器の伝熱管全数(既施栓管を除く10,097本)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施します。有意な信号が認められた伝熱管については、伝熱管補修工事により施栓します。
     なお、現状DFプローブによる渦流探傷検査(ECT)装置を使用していますが、より検出性を向上させたマルチコイル型(インテリジェント)ECT検査装置を今定検から導入します。


  4. 燃料集合体の取替え
     燃料集合体全数157体のうち69体(うち60体は新燃料集合体)を取り替える予定です。


  5. 今後の予定
    原子炉起動、臨界:平成16年2月中旬
    調整運転開始:平成16年2月中旬
    本格運転再開:平成16年3月中旬

     定期検査毎に実施している蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査の結果、有意な信号が認められず、伝熱管補修工事が不要となる場合、定期検査工程が約10日程度短縮されると想定されます。この場合、原子炉起動、臨界および調整運転開始が平成16年2月上旬に、また本格運転再開が同年3月上旬に繰り上げられます。
以 上
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