プレスリリース
2003
2003年10月31日
美浜発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について
1.今回の定期検査を利用して実施した主要な工事 | ||||
(1) | 1次冷却材ポンプ供用期間中検査 (図-1参照) | |||
1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、2台ある1次冷却材ポンプのうち、A-1次冷却材ポンプについて、主フランジボルト並びに同締め付け部等の耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検を行い、健全性を確認しました。 | ||||
(2) | 原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事 (図-2参照) | |||
海外における原子炉冷却系統設備の配管損傷事象等に鑑み、将来的な健全性維持を図るという予防保全の観点から、原子炉冷却系統設備のうち、化学体積制御系統等の配管の一部について、耐食性の優れた材質の配管に取り替えるとともに、応力の集中を受けやすいソケット溶接継手部から、応力を低減できる突き合わせ溶接継手に変更しました。 | ||||
(3) | 充てん配管継手部他取替工事 (図-3参照) | |||
信頼性向上の観点から、温度変化が大きい充てん配管の一部について、応力の集中を受けやすいソケット溶接継手部を、応力を低減できる突き合わせ溶接継手に変更するとともに、耐食性の優れた材質の配管に取り替えました。 | ||||
(4) | 1次系小口径配管継手部取替工事 (図-3参照) | |||
平成12年4月、美浜発電所2号機において、化学体積制御系統抽出水配管のオリフィス内面減肉に起因したキャビテーション(※)に伴う圧力変動により配管が振動し、ソケット溶接部が割れた事象に鑑み、同系統の一部の抽出水配管について、応力の集中を受けやすいソケット溶接継手部を、応力を低減できる突き合わせ溶接継手に変更するとともに、耐食性の優れた材質の配管に取り替えました。 | ||||
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(5) | 余熱除去系統流量調整弁他取替工事 (図-4参照) | |||
回転する弁体の角度により流量を調整している余熱除去系統流量調整弁他について、弁体が全閉した際に、隙間から生じるわずかな流れを防止するため、弁体が配管内面に接触する構造の弁に取り替え、効率的な1次冷却材の流量調整を図ります。 | ||||
(6) | 原子炉容器照射試験片取出工事 | |||
中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を取り出しました。 | ||||
(7) | 炉外核計装装置測定処理部取替工事 (図-5参照) | |||
保守性向上の観点から、炉外核計装装置測定処理部について、作業時に計器類を引き出すドロワ式から、引き出しを要しないカード式に取り替えました。 | ||||
2.今定期検査中に実施した保全対策について | ||||
(1) | 余熱除去系統他配管の点検工事 | |||
国内PWRプラントのステンレス配管に貼り付けられた塩化ビニールテープが原因で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、余熱除去系統や化学体積制御系統等の配管について、配管外表面の点検を行った結果、5箇所に塩化ビニールテープの貼り付け跡が認めらました。 塩化ビニールテープの貼り付け跡が認められた箇所について、浸透探傷検査(PT)を実施し、浸透指示模様のないことを確認しました。 |
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(2) | 海塩粒子による応力腐食割れに係る点検 | |||
国内プラントにおいて、ステンレス配管に海塩粒子が付着し、応力腐食割れが発生した事例に鑑み、海塩粒子が付着しやすい場所にあるステンレス配管(海水系配管下方にある配管等)35箇所について、目視点検および配管表面の塩分量測定を 実施し、異常がないことを確認しました。 | ||||
3.燃料集合体の検査結果 | ||||
燃料集合体(10体)について外観検査を実施した結果、異常は認められませんでした。また、燃料集合体全数121体のうち41体(うち32体は新燃料集合体)を取り替えました。 | ||||
4.次回定期検査の予定 | ||||
平成17年冬頃 |
以 上
<参考資料>