プレスリリース

2003年8月18日

レーザー光による3次元風速・風向計測装置を開発
~風力発電所建設用風況調査を高精度・高効率に実施~

 当社は三菱電機株式会社と共同で、レーザー光を空気中の塵に当てることで、ドップラー効果(※1)を用いて風速・風向を詳細かつ経済的に計測できる装置を開発し、当社で単独開発した予測手法を併用することで、従来は年間の発電電力量予測の誤差が約30%だったものを、約15%に向上させることに成功しました。レーザー光を風況調査に利用するのは国内では初めてのことです。
  (※1) 光の波であるレーザーを塵に当て、反射させると、波長(周波数)が変わる。
このドップラー効果を用いて風速・風向を計測する。

 風況調査(風力発電所建設地で年間平均風速や風向の状況を調査すること)は一般的に、高さ30m~40m程度のポールを設置して、その頂上の風速・風向を測定し、大型風車の中心にあたる高さ60m地点の風況を推測するという手法をとっています。このため、必要なデータの大部分は推定値に頼ることとなり(※2)、調査結果と実際の発電電力量の間に最大で約30%の誤差が生じる場合がありました。

  (※2) 高さ60mのポールを設置したり、よりきめ細かいデータをとるために複数地点に設置するのは高コストなため、一般的にほとんど行われていない。

 今回開発した観測装置は、地上から大型風車の中心にあたる高さ60m地点にレーザー光を照射し、空気中の塵に当たったレーザー光の反射度合いを見ることで、極めて正確に風速・風向を測ることができるもので、フィールドテストの結果から、実際に60m地点に風速計・風向計を設置して計測した場合と比べても、約5%の誤差しか生じないことを確認しています。半径2km以内であれば3次元的に様々な地点での実測が可能なことから、何本もポールを立てる必要がありません。
 また、本装置を従来の30~40mのポールで風況観測しているサイトに併設して、各季節1週間程度の追加観測を行い、1年間の3次元的な風況予測ができる新手法(実測値との誤差は約3%)を組み合わせることで、コストを抑えながら、従来の半分である総合誤差約15%での発電電力量推定を可能にしました。

 さらに、本装置は軽トラックなどで容易に移動し、一台の装置で複数の観測サイトを短期間ずつ"持ち回り観測"しながら年間の風況を予測できるため、装置の効率的な運用や新しい風況調査手法の提供が可能となります。

 今回開発した技術は、今後当社の風力発電建設候補地での風況調査で使用していくとともに、グループ会社のニュージェック等が実施している風力発電コンサル事業での採用を検討してまいります。

以 上

 

 

<参考資料>