プレスリリース
2003
2003年6月13日
高浜発電所4号機の原子炉起動および 調整運転の開始について
1. 今回の定期検査を利用して実施した主要な工事 | ||||||||||||||
(1)1次冷却材ポンプ供用期間中検査等 (図-1参照) | ||||||||||||||
1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、3台ある1次冷却材ポンプ耐圧部の漏えい検査を実施し、健全性を確認するとともに、分解検査として、A-1次冷却材ポンプのインペラ等の内部部品について、点検を実施しました。 また、長期的な設備信頼性維持の観点より、昇温、降温時における振動安定対策として、改良型サーマルスリーブ(*1)に取り替えるとともに、併せて主軸についても取り替えました。 |
||||||||||||||
|
||||||||||||||
(2)放射線管理用計測装置検出器取替工事 (図-2参照) | ||||||||||||||
保守性向上の観点より、エリアモニタ検出器(*2)全数およびプロセスモニタ検出器(*3)の一部をGM管(*4)検出器から、部品調達が容易で現検出器と同等の性能を有する半導体検出器に取り替えました。 | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
(3)定格熱出力一定運転に伴う運転管理強化 | ||||||||||||||
定格熱出力一定運転の導入にあたり、運転管理の信頼性を一層向上させるため、発電機出力過大を知らせる警報を制御盤に追設した他、運転情報を管理しているコンピュータのソフト改良や、発電機出力の監視画面を追加しました。 | ||||||||||||||
2.運転中に発生したトラブルに係る修繕について | ||||||||||||||
(1)1次冷却材高温側温度検出器取替工事 (図-3参照) | ||||||||||||||
平成14年8月9日に、B-1次冷却材高温側温度検出器(常用・予備一体型のうち常用側)の不良により、「原子炉トリップパーシャル作動」等の警報が発信したことにより、予備に切り替え、復旧していました。 今定期検査において、不良が認められた検出器を同一仕様の新品に取り替えるとともに、検出器を常用に切り替えました。 なお、不良が認められた検出器について詳細調査を実施した結果、検出器の先端にある感温素子部で導通がないことが判りました。このことから、感温素子部が断線し、検出器が不良となったものと推定されました。 |
||||||||||||||
3.今定検中に実施した保全対策について |
||||||||||||||
(1)余熱除去系統他配管の点検および補修工事 (図-4参照) | ||||||||||||||
国内PWRプラントのステンレス配管に貼り付けられた塩化ビニールテープが原因で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、余熱除去系統や化学体積制御系統等の配管外表面の点検を行い、テープの貼り付け跡が認められた箇所について、浸透探傷検査(PT)を実施しました。その結果、1箇所に指示模様が確認されましたが、配管外表面の手入れにて指示部を除去し、浸透探傷検査(PT)等により健全性を確認しました。 また、前回(第13回)定期検査で指示が認められ、深さ測定にて配管の必要厚さを満足していることが確認されている2箇所について、今後の継続的な点検に伴う作業性等を勘案し、念のため、同種の配管に取り替えました。 |
||||||||||||||
(2)海塩粒子による応力腐食割れに係る点検 | ||||||||||||||
国内プラントにおいて、ステンレス配管に海塩粒子が付着し、応力腐食割れが発生した事例に鑑み、海塩粒子が付着しやすい場所にあるステンレス配管8箇所について塩分量測定を実施しました。その結果、1箇所で塩分量が高い部位が確認されたため、この配管について目視点検を実施しましたが、発錆等は認められませんでした。 なお、念のため、当該配管を洗浄した後、再度、塩分量測定を実施し、塩分量が低下していることを確認しました。 |
||||||||||||||
4.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT) (図-5参照) | ||||||||||||||
3台ある蒸気発生器の伝熱管全数(既施栓管を除く10,099本)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、A-蒸気発生器の伝熱管1本、およびB-蒸気発生器の伝熱管1本の計2本に有意な信号指示が認められました。 信号指示が認められた箇所は高温側の管板拡管部であり、第11回、第12回および第13回定期検査で認められた信号指示と同様であることから、原因は製作時に伝熱管を管板部で拡管する際、管内面で局所的に引張りの残留応力が発生し、これと運転時の内圧とが相まって、伝熱管内面から応力腐食割れが発生したものと推定されました。 対策として、有意な信号指示が認められた伝熱管については、施栓しました。 |
||||||||||||||
[平成15年5月22日 記者発表済] | ||||||||||||||
5.燃料集合体の検査結果 | ||||||||||||||
燃料集合体(22体)について外観検査を実施した結果、異常は認められませんでした。また、燃料集合体全数157体のうち81体を取り替えました。 (取替用燃料集合体のうち60体は新燃料集合体。) |
||||||||||||||
6.次回定期検査の予定 | ||||||||||||||
平成16年夏頃 |
以 上
<参考資料>