プレスリリース

2003年6月12日

大飯発電所4号機の定期検査開始について


1.今回の定期検査を利用して実施する主要な工事
(1)1次冷却材ポンプ供用期間中検査等             (図-1参照
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、4台ある1次冷却材ポンプのうち、B-1次冷却材ポンプについて、主フランジボルト並びに同締め付け部等の耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検します。
 また、長期的な設備信頼性維持の観点より、昇温、降温時における振動安定対策として、改良型サーマルスリーブ(*)に取り替えるとともに、併せて主軸についても取り替えます。  
(*)サーマルスリーブ:主軸への熱影響を緩和するために取り付けられている部品。
 
(2)原子炉容器照射試験片取出工事
 中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を計画的に取り出します。
 
(3)2次系熱交換器他取替工事                  (図-2参照
 2次系給水系統の水質向上対策として、給水加熱器および湿分分離加熱器の伝熱管について、銅合金から耐食性に優れたステンレス製に取り替えます。これにより、蒸気発生器への不純物の持ち込みの低減を図ります。
 
2.今定検中に実施する保全対策について
(1)余熱除去系統他配管の点検工事               (図-3参照
     国内PWRプラントのステンレス配管に貼り付けられた塩化ビニールテープが原因で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、余熱除去系統や化学体積制御系統等の配管について、配管外表面の点検を行い、塩化ビニールテープの貼り付け跡が認められた箇所については、浸透探傷検査を実施します。
     
  (2) 海塩粒子による応力腐食割れに係る点検
     国内プラントにおいて、ステンレス配管に海塩粒子が付着し、応力腐食割れが発生した事例に鑑み、海塩粒子が付着しやすい場所にあるステンレス配管(海水系配管下方にある配管等)について、目視点検および配管表面の塩分量測定を実施します。
   
3.燃料集合体の取替え
燃料集合体全数193体のうち81体を取り替える予定です。
(取替用燃料集合体のうち76体は新燃料集合体。)
 
4.今後の予定
原子炉起動、臨界:平成15年7月下旬
調整運転開始   :平成15年7月下旬
本格運転再開   :平成15年8月下旬

以 上

<参考資料>

プレスリリース