プレスリリース

2003年6月6日

高浜発電所の使用済燃料貯蔵設備の貯蔵能力変更計画について


1.施設の使用に関する説明
 高浜発電所については、1号及び2号機の使用済燃料貯蔵設備の貯蔵能力が小さいことから、平成10年に3号並びに4号機の使用済燃料貯蔵設備を1号及び2号機と共用化し、使用済燃料を六ヶ所再処理工場へ搬出することにより貯蔵余裕を確保することとしていたが、使用済燃料搬出量が当初見込みより減少したため、平成18年頃から貯蔵余裕の厳しい状況となることが予想される。
このため、3号及び4号機原子炉補助建屋内の使用済燃料ピット(Aエリア)の使用済燃料ラックを、ボロン添加したステンレス鋼を使用した新ラックに取替え、稠密化を図ることにより、貯蔵能力をそれぞれ約580体増強し、使用済燃料管理に万全を期すこととする。また、増強工事に必要な空き容量を確保するため、3号及び4号機の使用済燃料貯蔵設備を共用化する。
これにより、既設使用済燃料ピット(Bエリア)の貯蔵能力と合わせて、3号及び4号機の使用済燃料ピットの貯蔵能力はそれぞれ、1,188体(全炉心燃料の約760%相当分)から約1,770体(全炉心燃料の約1130%相当分)となる。
なお、既設の使用済燃料ラックは、取り出した後、切断して固体廃棄物貯蔵庫に貯蔵保管(ドラム缶換算で約800本程度)し、将来的には低レベル放射性廃棄物として埋設処分する計画である。また、ラック取替工事に伴う作業者の被ばく線量は、通常の定期検査時の総被ばく線量に比べても十分低いものと予想される。
 
2.施設の安全設計に関する説明
(1)未臨界性
 ボロン添加(約1wt%)ステンレス鋼を用いた使用済燃料ラックを採用し、未臨界を維持できるよう設計する。
 
(2)冷却能力
 使用済燃料貯蔵設備の貯蔵能力変更後においても、使用済燃料ピットの冷却能力が確保できるよう設計する。
 
(3)構造強度

 使用済燃料貯蔵設備の貯蔵能力変更後においても、燃料及び使用済燃料ラック等の荷重に対してピットの構造が健全であるよう設計する。

以上より、本設備の安全設計に問題はない。

 
3.周辺環境への影響に関する説明
 使用済燃料貯蔵設備は、使用済燃料からの放射線をボロン水及びコンクリートにより遮へいして線量を十分低減する。

 以上より、使用済燃料貯蔵設備の貯蔵能力の変更による周辺環境への影響はない。

以 上

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