プレスリリース

2003年5月21日

美浜発電所2号機の点検結果について (5B高圧給水加熱器ドレン流量増加による出力降下の原因と対策)


 美浜発電所2号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力50万キロワット、定格熱出力145万6千キロワット)は、定格熱出力一定運転中のところ、2次系給水系統(2系統)のうち、B系統の第5高圧給水加熱器(*1)のドレン流量に微増傾向が認められたため、5月8日より各種関連パラメータの監視強化を行っていました。その後も、ドレン流量の微増傾向が継続していることから、原因は伝熱管からの漏えい(*2)である可能性が高いと判断し、5月17日午前0時から出力降下を開始し、午前1時18分に定格電気出力の約75%として、高圧給水加熱器伝熱管等の点検を行うこととしました。

(*1) 高圧給水加熱器
 蒸気発生器に送り込む2次冷却水(給水)を温めるために設置されているU字管タイプの熱交換器であり、伝熱管内を流れる2次冷却水を高圧タービンの排気蒸気により加熱するためのものである。加熱後の蒸気はドレン水(凝縮水)となり、給水系統に戻る。
(*2)  伝熱管より漏えいした給水は、ドレン水とともに同じ給水系統に戻るため、系統の外に出るもので   はない。

[平成15年5月16日 記者発表済]

1.調査結果
(1) 漏えい検査の結果、5B高圧給水加熱器の伝熱管1本(42列5番)に漏えいが認められました。
(2) ファイバースコープによる観察の結果、42列5番の伝熱管の出口側管板面から約288mmの位置(管板内)の水室側から見て左側面に周方向長さ約10mm×軸方向長さ約7mm程度の開口(以下A部)が認められ、出口側管板面から約332mmの位置(管板境界部)の水室側から見て左側面に周方向長さ約5.5mm×軸方向長さ約10mm程度と周方向長さ約5.5mm×軸方向長さ約3mm程度の2つの開口(以下B部)が認められました。
(3) 当該5B高圧給水加熱器の漏えい管の周辺管16本について、渦流探傷検査(ECT)を行った結果、水室側から見て左側の隣接管2本に有意な外面減肉指示が認められました。

2.推定原因
 以上の調査結果から、伝熱管内を流れる給水(2次冷却水)が当該加熱器内で漏えいし、ドレン流量が増加したものと判明しました。
 漏えい管の開口部の状況等から、42列5番の伝熱管(A部)において、管板内の伝熱管外面の初期傷が進展、貫通(過去事例から応力腐食割れ(*3)と推定)し、開口したものと推定されました。開口したA部から給水が流れ出し、当該管の管板端面付近(B部)で浸食(*4)が発生し、外面減肉が生じ、開口したものと推定されました。更に、B部からの噴流により、その周辺の伝熱管が浸食を受け、隣接管に外面減肉が発生したものと推定されました。


(*3) 応力腐食割れ
 応力腐食割れ:特定の腐食環境中におかれた金属材料が、持続的な引っ張り応力のもとで時間依存型の脆性的割れを起こす現象。一般に合金では割れ易いが、純金属では極めて割れにくい。材料、環境、応力の三者が特定の条件を満足するときのみに発生する。
(*4) 浸食
  材料、流れ、環境の因子が重なり合った条件で生じる物理的作用による現象。一般的には、材料表面が流体と衝突することによる機械的作用で材料が削られる表面の摩耗現象である。

3.対  策
漏えいの認められた伝熱管1本および有意な信号指示が認められた隣接管2本について、施栓を行います。なお、漏えい管については、補強棒を挿入します。
当該高圧給水加熱器出口側管板部全数(既施栓管および上記の3本を除く)について、念のため、渦流探傷検査(ECT)を行った結果、有意な信号指示が認められた伝熱管2本について、施栓を行います。

 施栓後、漏えいのないことを確認の上、出力を上昇させ、定格熱出力一定運転に復帰する予定です。

以 上

経済産業省によるINESの暫定評価)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
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INES:国際原子力事象評価尺度


<参考資料>