プレスリリース

2003年2月12日
関西電力株式会社

水力発電電力量を増加させる新形水車を開発

 当社はこの度、日立製作所と共同で、水力発電所における発電電力量を増加させることができる新形水車(「中間羽根付き水車ランナ」)を開発しました。現在、御岳発電所(長野県木曽郡三岳村、認可出力66,000kW)で設置工事を実施中ですが、中間羽根付き水車ランナの採用は、国内の一般水力発電所では初めて(※1)のことです。

 水力発電では、ダムの水位や河川の水量が季節などにより大きく変化し、特に水量が少ない時期や時間帯には、水車効率(※2)が低下します。この水量が少ない場合の水車効率を向上させることが、水資源をより有効に活用するための大きな課題の一つでした。

 今回開発した「中間羽根付き水車ランナ」は、フランシス形水車(※3)における水を受ける部分である「ランナ」の羽根の形状に工夫を加えたものです。従来は形状が均一な羽根を取り付けていましたが、今回、従来同様の長さの「主羽根」に加え、水が最初に当たる側に、長さが約半分の「中間羽根」を、主羽根と交互になるように取り付けたことにより、水が最初に当たる部分の羽根の枚数は多く、逆に、水の出口部分の枚数を少なくしました。このことで、水に効率よく羽根を押させるとともに、押させた後はスムーズに水路に戻すことができるようになり、従来形に比べ低水量時(※4)の水車効率が5%程度向上しました。

 当社はまず、これを御岳発電所1、2号機(出力:1、2号機とも22,000kW)に採用することとし、現在、1号機への設置工事を実施しております。これにより、1、2号機合わせて発電電力量が年間約500万kWh(従来の3%程度)増え、地球温暖化の原因となるCO2排出量も年間3,200トン削減できます。仮に、フランシス形水車を採用している全ての当社水力発電所に採用したとすれば、発電電力量が年間2億4千万kWh程度増やせることになります。

 当社は今後、水力発電所の大規模改修工事を行う際、随時「中間羽根付き水車ランナ」の採用を検討するとととしており、既存の設備を活かして、水資源の有効活用を図ってまいります。

以 上

  • (※1)揚水式の発電所については、他社でも研究が進められている。
  • (※2)水車効率・・・実際の水車出力(kW)を、理論上の水のエネルギー(kW)で割ったもの。
  • (※3)フランシス形水車・・・羽が固定された最も一般的な水車で、当社水力発電所の約7割で採用。
  • (※4)低水量時・・・水車出力35%を想定。