プレスリリース

2002年10月31日

「供給支障事故等に係る報告漏れ」の経済産業省への報告について


(1)目的
 過去に発生した電気事故の報告が適正に実施されていることを確認する。なお、報告漏れを発見した場合は、その事案の事実関係を詳細に調査するとともに、報告漏れの原因・背景および再発防止対策について検討する。

(2)調査対象設備

 電気関係報告規則第3条の定めに基づき、関西電力が所管する電気工作物および自家用電気工作物に係わる全報告対象事故をいい具体的には次の10種類を対象とする。
    感電死傷事故
    電気火災事故
    電気工作物に係わる感電以外の死傷事故又は他の物を著しく損壊させた事故
    放射線事故
    主要電気工作物の損壊事故
    発電支障事故
    供給支障事故
    他社への波及事故
    台風等の災害による事故
    電気工作物の工事中に発生した事故又は社会的に影響を及ぼした事故

(3)調査対象期間

   電気関係事故内容が確認できる自部門文書(データ)「以下自部門資料という」またはその発生を証明できる他部門の突き合わせ資料(データ)「以下他部門資料という」双方の保有期限から、部門別に遡り調査が可能な最大年数を調査期間とする。なお部門別の調査期間は表-1の通りである。


(4)調査方法
  (4)-1原子力以外

  a.調査の考え方 
 調査方法としては、信憑性確保の観点から、他部門資料から報告対象事故を抽出し、当該事故について電気事故詳報が提出されているか確認する。
 なお、調査結果に疑義がある場合や不明な点がある場合は更に、運転日誌との突き合わせ確認や関係者への聞き取りを必要に応じ実施し信頼性を確保する。調査した結果については「事故報告状況チエック表」に記録する。
     
  b.具体的な調査方法
○感電死傷事故、電気工作物に係わる感電以外の死傷事故
 
人材活性化室が保有する他部門資料(災害事例等)から電気災害件名を抽出し、当該事故について電気事故詳報が提出されていることを確認する。なお、電気事故詳報がない場合は、自部門資料(災害報告等)を詳細に調査し報告要否を確認する。
     
○電気火災事故および他の物を著しく損壊させた事故
 
電気工作物以外の物件や他人の財産に対する火災および損壊であり、原因元である当社設備の損壊事故について自部門資料により詳細に調査し、類焼や他の物を損壊するような事実がなかったことを確認する。また、類焼や他の物を損壊するような事実がある場合は、電気事故詳報が提出されていることを確認する。
     
○主要電気工作物の損壊事故
 
保護装置が動作した事故については、系統運用部門が保有する他部門情報(給電関係事故報告データ等)から報告対象事故を抽出し、当該事故について電気事故詳報が提出されていることを確認する。なお、電気事故詳報がない場合は、自部門資料(事故報告書等)を詳細に調査し報告対象外であることを確認する。
 
それ以外の故障については、自部門資料(事故報告書等)を詳細に調査し報告がもれていないことを確認する。
     
○発電支障事故、供給支障事故
 
系統運用部門が保有する他部門情報(給電関係事故報告データ等)から報告対象事故を抽出し、当該事故について電気事故詳報が提出されていることを確認する。なお、電気事故詳報がない場合は、自部門資料(事故報告書等)を詳細に調査し報告対象外であることを確認する。
     
○他社への波及事故
 
系統運用部門およびお客さま部門が保有する他部門情報(給電関係事故報告データ等)から報告対象事故を抽出し、当該事故について電気事故詳報が提出されていることを確認する。なお、電気事故詳報がない場合は、自部門資料(事故報告書等)を詳細に調査し報告対象外であることを確認する。
     
○台風等の災害による事故
 
大臣指定文書と電気事故詳報を突き合わせ確認する。
     
○電気工作物の工事中に発生した事故又は社会的に影響を及ぼした事故
 
大臣および局長指定文書と電気事故詳報を突き合わせ確認する。

  (4)-2原子力

 昭和59年度以降から保有している「事故・故障および軽微な事象リスト」(以下、リストという)を基に、原子力発電所に係る電気事故を抽出し、電気事故詳報が適切に提出されていることを確認する。
  a.調査の考え方
 トラブル情報および運転管理情報の連絡要項として、昭和59年度に原子力発電所の運転管理情報、所内パトロール等によって発見された留意すべき事象の国への連絡要領並びに、それらの事象に関する記録としてリストを作成することを社内標準「原子力発電業務要綱指針」に定めていることから、このリストを基に電気事故を抽出し、「事故報告状況チェック表」を作成のうえ、報告漏れの有無を確認する。
     
  b.具体的な調査方法
○感電死傷事故、電気工作物に係わる感電以外の死傷事故
     リストから災害件名を抽出し、災害報告内容を点検のうえ、事故報告の要否を判断する。事故報告要と判断した災害件名を「事故報告状況チェック表」に記載し、電気事故詳報が提出されているかを確認する。
     
○電気火災事故および他の物を著しく損壊させた事故
     電気工作物以外の物件や他人の財産に対する火災および損壊であり、原因元である電気工作物の損壊事故の事故報告書を点検し、類焼や他の物を損壊するような事実がなかったかを確認する。
  電気事故報告要と判断した損壊事故を「事故報告状況チェック表」に記載し、電気事故詳報が提出されているかを確認する。
     
○放射線事故
     放射線事故は、何らかの原因によって人が放射線を過度に被ばくし、または機械、器具、建造物、空気、水等が放射性物質により過度に汚染するものであるため、リストから「放射性物質の漏えい」に係わる事象を抽出し、事故報告書を点検のうえ、放射線事故の事実がなかったかを確認する。
 過度の被ばくについては、法令に基づき定期的に線量実績を報告し、国がその結果を公表しているが、念のため過去において線量限度を超過することがなかったことを確認する。
     
○発電支障事故、主要電気工作物の損壊
     リストから、発電所の電気工作物の故障、損傷、破壊等により発電機を停止した事象および主要電気工作物がその損傷または破壊により機能を著しく低下し、または喪失した事象を抽出し、電気関係報告規則に基づく事故報告の要否を判断する。
 事故報告要と判断された災害件名を「事故報告状況チェック表」に記載し、電気事故詳報が提出されていることを確認する。

  (4)-3 自家用電気工作物
 自家用電気工作物については、同工作物の設備管理を実施している者から聞き取りを行い、電気関係報告規則に該当する事象の有無を確認する。

(5)調査体制
 副社長を主査とし、関係本部・事業本部・室の副本部長・副事業本部長・室長を調査責任者とした調査検討体制を構築し、過去の電気事故報告の処理状況を調査した。

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