プレスリリース

2002年9月20日

「原子力施設にかかる自主点検作業の適切性確保に関する総点検計画書」 の提出について


1.目 的
   原子力安全・保安院指示文書「原子力施設にかかる自主点検作業の適切性確保に関する総点検について」(平成14・08・30原院第1号)に基づき、以下について確認する。
  (1) 自主点検作業が適切に実施されていること
  (2) 自主点検作業が適切に実施され得る十分な社内体制や不正防止策が確立されていること

2.体 制
   平成14年9月4日に設置した「原子力発電所自主点検調査委員会」のもとに「調査部会」および「評価部会」により点検を行う。
 さらに社外第三者からなる「自主点検調査プロセス監査顧問会」を設け、調査委員会が実施する調査について幅広い意見を頂くこととする。
 「調査部会」は自主点検作業が適切に実施されていることの調査、実施体制や不正防止策の確立状況に関する総点検を行う。
 「評価部会」は調査のプロセスや調査結果を社内の第三者的立場で評価する。
 また、調査を効率的に行うために「調査部会」のもとに「記録点検WG」および「業務点検WG」を設ける。これらのWGにおいても、透明性、客観性確保の観点から社内第三者部門も調査に参画する。詳細については別紙1に示す。

3.工程および報告
   自主点検作業が適切に実施されていることの調査については、平成14年内を目途に中間報告、平成14年度末を目途に最終報告を行う。
 また自主点検作業の実施体制や不正防止策の確立状況に関する総点検についても、平成14年内を目途に中間報告、平成14年度末に最終報告を行う。詳細については別紙2に示す。
 なお、調査の過程において万が一、不正の恐れがある事案を発見した場合には、直ちに原子力安全・保安院に連絡する。

4.実施内容

4-1.自主点検作業の実施状況にかかる調査
  (1) 調査範囲
   
a.
自主点検作業の種類
     現在供用中の原子炉容器、炉内構造物、原子炉冷却材圧力バウンダリ内設備、非常用炉心冷却設備、その他の1次系設備およびタービン他主要2次系設備に関連する自主点検作業(定期検査実施範囲を含む)を対象とする。また主要改造工事および事故故障による水平展開に伴う点検作業についても対象とする。
 
b.
調査期間
     自主点検作業が適切に行われていることを至近の点検結果に従い調査する。
なお、至近の点検結果は、原子炉容器および炉内構造物については調査期間を最大過去10年間遡るものとし、その他の調査対象設備については、文書保有期間や設備の重要度に応じて調査期間を決定するものとする。
 
c.
記録の種類
     点検記録や工事報告書を対象に調査を行う。記録、報告書の保有期間等を考慮して、下記の対象の中から確認対象を選定することとする。
・当社保有の点検記録(自主点検成績書等)
・当社保有の工事報告書
・施工会社保有の工事報告書
・施工会社保有の工事記録
     
  (2) 調査内容
 
a.
 当社保有の点検記録、工事報告書および施工会社保有の工事報告書、工事記録間に矛盾および必要な技術情報の削除等がないかを調査する。
 
b.
 電気事業法に照らして、工事計画の認可または届出が必要であるにもかかわらず、これを行わずに工事を実施していないか、供用前の機器に技術基準適合維持義務違反がないかを調査する。
 
c.
 電気事業法、原子炉等規制法および大臣通達による軽微な故障等の報告基準に基づく国への報告が適切に行われているか否かを調査する。
 
d.
 上記a項からc項の確認の結果、疑義・問題点等が発見された場合は、関係者に聞き取り調査等を実施し厳正に評価する。

4-2.自主点検作業の実施体制や不正防止策の確立状況にかかる総点検
  (1) 自主点検作業に関連する業務内容を規定した社内標準の記載が適切であり、かつ実施されていることの確認
 
a.
 自主点検作業の計画~実施~検査・試験~評価~記録保管等の業務の各段階毎について品質保証の観点(品質保証に係る民間基準を参照する)から必要な事項が社内標準に盛り込まれていることを確認する。
 
b.
 実際の自主点検作業が社内標準に従って行われていることを、各担当課が至近に実施した自主点検作業のうち代表的なものを選定(注)し、当社が保有している報告書等の点検を上記a項をベースに実施し、確認する。
(注)4-1.(1)調査範囲から数件選定する。
     
  (2)不正防止策の点検
 
a.
 BNFL製MOX燃料問題他に関し対策として実施している活動のうち、今回の事例の観点で対応すると考えられる項目の現状確認、点検を行う。
 
b.
 東京電力株式会社殿の調査報告等を踏まえ、当社への反映を検討する。


以 上



<参考資料>

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