1. 施設の使用に関する説明 |
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(1)処理方法の変更内容 |
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1号及び2号機の原子炉冷却材等を浄化する脱塩塔から発生する全ての使用済樹脂は、1号及び2号機共用の廃樹脂貯蔵タンク等(廃樹脂貯蔵タンク3基 貯蔵容量約46.8m3に廃樹脂タンク1基 貯蔵容量約
15.6m3も含めた貯蔵容量は約62m3)に貯蔵(平成13年度末約
45m3)するとともに、貯蔵している樹脂については平成6年度から廃樹脂処理装置により処理している。
同装置では、使用済樹脂に含まれる放射性物質を洗浄し、放射能濃度が低くなった樹脂(定格6m3/年、実運用ベースで約4m3/年程度)は雑固体廃棄物として扱い、既設の雑固体焼却設備で焼却減容している。洗浄後の放射性物質を含む廃液を濃縮したもの(以下「濃縮廃液」という)は同装置の濃縮廃液タンク(1基 貯蔵容量約20m3)に貯蔵(平成13年度末約10m3)している。
この処理に伴い発生する濃縮廃液は、濃縮廃液タンク(1基)で貯蔵した後、固化処理し埋設処分することとしているが、近年比較的放射能濃度の高い低レベル廃棄物に関する濃度基準等の制度整備がなされたことを踏まえて処分計画を変更し、当面の間貯蔵保管することとする。
この埋設施設の具体化にはまだ時間を要し、その間の使用済樹脂の発生による廃樹脂貯蔵タンク等の使用済樹脂保管量の推移、及び濃縮廃液タンクの濃縮廃液の貯蔵量の推移を予想すると、近い将来(平成19年頃)廃樹脂貯蔵タンク等及び濃縮廃液タンクがともに逼迫すると予想される。
この廃樹脂貯蔵タンク等及び濃縮廃液タンクの貯蔵余裕を確保するため、使用済樹脂のうち低線量のものについては、廃樹脂処理装置で処理せず、既設の雑固体焼却設備で雑固体廃棄物として焼却減容(約1.5m3/年と想定)し、濃縮廃液の発生量を抑制するとともに、濃縮廃液タンクを2基増設する。
この変更により、放射能濃度に応じた合理的な処理処分が可能となるとともに、廃樹脂貯蔵タンク等及び濃縮廃液タンクの貯蔵余裕が確保される。 |
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(2)施設の変更内容 |
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脱塩塔から廃樹脂タンクヘ至る移送配管から低線量の樹脂を抜き取るための配管、受けタンク及び容器への排出配管を1号及び2号機原子炉補助建屋内に設置し、抜き取った低線量の樹脂は容器に封入した後雑固体焼却設備で焼却する。
また、増設する濃縮廃液タンクは1号及び2号機原子炉補助建屋内の1号機側の予備区画内に設置する。 |
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(3)低線量の使用済の樹脂が発生する脱塩塔の種類
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低線量の脱塩塔は1号及び2号機において以下のとおりである。
・ ホールドアップタンク脱塩塔
1号及び2号機共用 樹脂充てん量:0.85m3/基、脱塩塔基数:2基
・ 蒸りゅう液脱塩塔
1号及び2号機共用 樹脂充てん量:0.57m3/基、脱塩塔基数:1基
・ 冷却材カチオン塔
1号機 樹脂充てん量:0.57m3/基、脱塩塔基数:1基
2号機 樹脂充てん量:0.57m3/基、脱塩塔基数:1基
・ 熱再生イオン交換器
1号機 樹脂充てん量:2.10m3/基、脱塩塔基数:5基
2号機 樹脂充てん量:2.10m3/基、脱塩塔基数:5基
・ 廃液蒸りゅう水脱塩塔
1号及び2号機共用 樹脂充てん量:0.85m3/基、脱塩塔基数:1基
・ 廃液モニタ脱塩塔
1号及び2号機共用 樹脂充てん量:0.85m3/基、脱塩塔基数:1基 |
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(4)濃縮廃液の処分について |
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濃縮廃液は、最終的には固化処理し比較的放射能濃度の高い低レベル廃棄物用の埋設施設に処分する計画である。
発電所においては、この処分のために必要な固化処理装置の導入等に備えるため、固化体の試験製作、放射能量の測定、物性値の採取などを行う。このため、現在設置してある固化処理装置を用いた処理については必要に応じ実施することとする。 |
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2.施設の安全設計に関する説明 |
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(1)放射性物質の散逸等の防止 |
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低線量樹脂の焼却においては、使用済樹脂は1号及び2号機の原子炉補助建屋の管理区域内において、脱塩塔から一時的な受けタンクを経由して容器まで配管による移送を行う。使用済樹脂の運搬等の取扱いにあたっては容器に封入することにより放射性物質の散逸等の防止を考慮した設計とする。
濃縮廃液タンクの増設においては、タンクの設置場所に放射性流体の漏えいを早期に検知し警報を発することができる設計とするほか、せき等を設け漏えいの拡大防止策を講じた設計とする。
なお、増設する濃縮廃液タンクの散逸等防止対策は、既設の濃縮廃液タンクの設計と同等である。 |
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(2)放射線業務従事者の放射線防護 |
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濃縮廃液タンクの設置場所は、放射線被ばくが十分管理できるよう放射線量率、立入頻度等を考慮した遮へい設計を行う。
以上より使用済の樹脂の処理方法の変更における安全設計に問題はない。
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3.周辺環境への影響に関する説明 |
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(1)放射性固体廃棄物及び放射性気体廃棄物 |
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低線量樹脂の焼却においては、既設の雑固体焼却設備からの排ガスはセラミックフィルタ等を通し粒子状の放射性物質を除去した後、焼却炉排気口から放出することから、放射性物質の放出量は極めて微量であり無視できる程度である。また、必要に応じて減衰期間を設け放射性ヨウ素を減衰させた後焼却する。
また、濃縮廃液タンクを増設し、廃液を貯蔵保管することによる新たな放射性固体及び気体廃棄物の発生はない。 |
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(2)放射性液体廃棄物 |
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低線量の使用済樹脂を容器に抜き出す際の移送水、及び廃樹脂処理装置の濃縮廃液を濃縮廃液タンクに移送した後の洗浄水はわずかであり、既設の液体廃棄物処理系で処理することにより、放射性物質の放出量は無視できる。 |
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(3)周辺放射線防護
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濃縮廃液タンクは、既設の原子炉補助建屋内に遮へいを設けて設置するため、人の居住する可能性のある発電所敷地外における放射線量の増加はわずかで無視できる。
以上より使用済の樹脂の処理方法の変更による周辺環境への影響はない。
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