プレスリリース

2002年6月3日

高浜発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について


1.今回の定期検査を利用して実施した主な工事等
(1) 原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事  (図-1参照)
 海外における損傷事象等に鑑み、将来的な健全性維持を図るという予防保全の観点から、原子炉冷却系統設備の配管他について、材質等を変更した新しい配管に取り替えました。
(2) 出力領域計測装置検出器取替工事
 信頼性維持の観点より、原子炉運転時の出力状況を監視するために原子炉外に設置している出力領域計測装置の検出器(全8個中2個)を、計画的に取り替えました。
(3) 放射線管理用計測装置検出器取替工事  (図-2参照)
 保守性向上の観点より、エリアモニタ検出器(*1)およびプロセスモニタ検出器(*2)を、GM管検出器から、部品調達が容易で現検出器と同等の性能を有する半導体検出器に取り替えました。
(*1)エリアモニタ検出器
 管理区域内における人の立入制限等の管理を行うため、管理区域内の放射線量率を測定・監視している検出器。

(*2)プロセスモニタ検出器
 発電所の各系統の流体(水、ガス等)から放出される放射線を測定し、放射性物質の漏えいを検知する検出器。

(*3)GM管
 ガラス管の中心部と側面に電極を設け、ガスを封入したものであり、電極に高電圧を印加して使用する。管内に入射した放射線によりガスが電離され、外部へ電気信号を発信する。発案者の名前をとってガイガー・ミューラー管(計数管)、略してGM管と呼ばれている。
(4) 定格熱出力一定運転に伴う運転管理強化
 定格熱出力一定運転の導入に当たり、運転管理の信頼性を一層向上させるため、発電機出力過大を知らせる警報を制御盤に追設した他、運転情報を管理しているコンピュータのソフト改良や、発電機出力の監視画面追加を行いました。
2.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果
 3台ある蒸気発生器のうち、AおよびC-蒸気発生器伝熱管全数(計6,764本:3,382本×2台)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。
3.燃料集合体の検査結果
 燃料集合体(24体)について外観検査を実施した結果、異常は認められませんでした。
 また、燃料集合体全数157体のうち61体を取り替えました。
(取替用燃料集合体のうち52体は新燃料集合体)
4.次回定期検査の予定
平成15年夏頃

以 上

<参考資料>

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