プレスリリース

2002年4月19日

高浜発電所2号機の定期検査開始について


1.今回の定期検査を利用して実施する主要な工事
 (1)原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事  (図-1参照
 海外における損傷事象等に鑑み、将来的な健全性維持を図るという予防保全の観点から、原子炉冷却系統設備の配管他について、材質等を変更した新しい配管に取り替えます。

 (2)出力領域計測装置検出器取替工事
 信頼性維持の観点より、原子炉運転時の出力状況を監視するために原子炉外に設置している出力領域計測装置の検出器(全8個中2個)を、計画的に取り替えます。

 (3)放射線管理用計測装置検出器取替工事  (図-2参照
 保守性向上の観点より、エリアモニタ検出器(*1)およびプロセスモニタ検出器(*2)を、GM管(*3)検出器から、部品調達が容易で現検出器と同等の性能を有する半導体検出器に取り替えます。

 (*1) エリアモニタ検出器
 管理区域内における人の立入制限等の管理を行うため、管理区域内の放射線量率を測定・監視している検出器。
 (*2) プロセスモニタ検出器
 発電所の各系統の流体(水、ガス等)から放出される放射線を測定し、放射性物質の漏えいを検知する検出器。
 (*3) GM管
   ガラス管の中心部と側面に電極を設け、ガスを封入したものであり、電極に高電圧を印加して使用する。管内に入射した放射線によりガスが電離され、外部へ電気信号を発信する。発案者の名前をとってガイガー・ミューラー管(計数管)、略してGM管と呼ばれている。

 (4)定格熱出力一定運転(*4)に伴う運転管理強化
 定格熱出力一定運転の導入に当たり、運転管理の信頼性を一層向上させるため、発電機出力過大を知らせる警報を制御盤に追設する他、運転情報を管理しているコンピュータのソフト改良や、発電機出力の監視画面追加を行います。
 (*4) 定格熱出力一定運転
 原子炉熱出力を、原子炉設置許可で認められた最大値である定格熱出力(高浜2号機の場合244万0千キロワット)に一定に保ったまま運転する方法。冬季のように海水温度が低い時期には発電効率が良くなり、従来の定格電気出力一定運転と比べ、発生する電気が増加する。

2.燃料集合体の取替
 燃料集合体全数157体のうち69体を取り替える予定です。
 (取替用燃料集合体のうち56体は新燃料集合体)

3.今後の予定
  原子炉起動、臨界:平成14年6月上旬
  調整運転開始  :平成14年6月上旬
  本格運転再開  :平成14年7月上旬

 なお、高浜発電所2号機は、6月上旬に予定される調整運転の開始から、定格熱出力一定運転を実施する予定です。

以 上

<参考資料>

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