- 1.今回の定期検査を利用して実施した主な工事
- (1)1次冷却材ポンプ供用期間中検査 (図-1参照)
- 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、4台ある1次冷却材ポンプのうち、AおよびD-1次冷却材ポンプについて、主フランジボルト、並びに同締め付け部等耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検しました。
- (2)原子炉容器供用期間中検査
- 原子炉容器の供用期間中検査として、原子炉容器の溶接部等について、計画的に超音波による探傷検査を行い、健全性を確認しました。
- (3)原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事 (図-2参照)
- 海外における原子炉冷却系統設備の損傷事象等に鑑み、将来的な健全性維持を図るという予防保全の観点から、原子炉冷却系統設備の化学体積制御系統等の配管の一部について、材質等を変更したものに取り替えました。
- (4)原子炉容器照射試験片取出工事
- 中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を計画的に取り出しました。
- (5)原子炉補機冷却水系統他改造工事 (図-3参照)
- 原子炉補機冷却水系統(放射性機器冷却水系統、非放射性機器冷却水系統)および1次系海水系統において、2号機と共用している箇所を分離することにより、運転操作性および更なる設備信頼性の向上を図りました。
- 本工事については、1号機第16回定期検査および2号機第16回定期検査にて実施しておりましたが、今回の1号機側の補機冷却水クーラの取替えをもって全工事が完了しました。
- (6)炉内計装筒管台予防保全対策工事 (図-4参照)
- 炉内計装筒管台の1次系水質環境下における応力腐食割れに対する予防保全対策として、引張り残留応力の低減を図るため、炉内計装筒管台の内表面にウォータージェットピーニング(*1)を施工しました。
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*1) |
ウォータージェットピーニング |
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水中にて金属表面に高圧ジェット水を噴射することにより、金属の塑性変化を利用し、金属表面の引張り残留応力を圧縮残留応力に変えるものである。 |
- (7)出力領域計測装置検出器取替工事
- 信頼性維持の観点から、原子炉運転時の出力状況を監視するために原子炉外に設置している出力領域計測装置の検出器を計画的に取り替えました。
- (8)アイスコンデンサ空気冷却ユニット取替工事 (図-5参照)
- 原子炉格納容器内での氷の補充作業・氷重量測定作業への干渉を軽減して、作業効率の向上、および国産化することで保守性の向上を図るために、アイスコンデンサ(*2)空気冷却ユニットを薄型のものに取り替えました。
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*2) |
アイスコンデンサ |
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事故時に格納容器内に放出される熱エネルギーを吸収し、事故初期における格納容器内圧の上昇を抑制するための氷。 |
- 2.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果
- 4台ある蒸気発生器のうち、BおよびD-蒸気発生器伝熱管全数(計6,764本:3,382本×2台)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。
- 3.燃料集合体の取替え
- 燃料集合体全数193体のうち69体を取り替えました。
- (取替用燃料集合体のうち64体は新燃料集合体です。)
- 4.次回の定期検査の予定
- 平成15年春頃
以 上
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