当社は、株式会社ニュージェック(所在地:大阪市中央区 社長:吉村清宏)と共同で、トンネル工事やダム工事の設計に必要な岩盤等級分類(注1)の数値化を可能にした、新しい岩盤調査・評価システムを開発いたしました。
トンネル、地下空洞、ダムなどの岩盤構造物設計の際には岩盤の悪い箇所、地下水が多い箇所を把握することが必要です。
従来は波動の伝達を利用した弾性波探査(注2)、岩盤における電気の流れを利用した比抵抗探査(注3)などを基に、専門家が経験によって岩盤内部を診断する手法が採られていましたが、診断精度としては低いものでした。
今回開発したシステムは、弾性波探査、比抵抗探査から得たデータを即座に計算し岩盤内部の状況を数値的に表すことに成功したものです。
- <本システムの概要>
- 岩盤構造物設計に必要な「岩盤等級分類」と「湧水箇所」は、岩盤の間隙率(注4)、飽和度(注5)のデータから導き出されます。
弾性波速度探査と比抵抗探査から得られたデータを本システムに入力することによって、即座に間隙率、飽和度を導きだし、岩盤の種類、硬度、湧水の箇所等を2次元的にパソコン画面に写し出します。
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- <本システム採用のメリット>
設計施工精度の向上
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設計と施工の差違の減少を図ることが可能で、予期せぬ大量の湧水のための計画変更、余分な補助工法の採用および工程遅延が無くなります。 |
コストメリット
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本システムの採用によって、岩盤調査では、従来のボーリングの本数を減らし、約3割のコストダウンを図ることが可能になります。 |
本システムは、今後の岩盤内部調査をスムーズにすると共に、山中にある水の移動方向の捕捉など、環境調査に適用することが出来ます。今後は全国を視野に入れた本システムの販売促進を行ってまいります。
なお、本システムは関西大学工学部 楠見助教授(岩盤システム工学)、電力中央研究所 楠研究員(地質学)の指導により開発いたしました。
(注1)岩盤等級分類 |
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岩盤の硬度などを表す。 |
(注2)弾性波探査 |
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地盤内に人工的に弾性波を発生させて、2箇所以上の受信点で伝播速度を計測するもの。これにより、岩盤の堅さなどを把握する。 |
(注3)比抵抗探査 |
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接触電極から地中に電流を通じ、電位差を計測するもの。これにより、地中にある水の量を把握する。 |
(注4)間隙率・・・岩盤中に占める割れ目の体積の割合。 |
(注5)飽和度・・・割れ目の体積における水の占める割合。 |
設 立 |
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昭和38年9月21日 |
資 本 金 |
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2億円 |
売 上 高 |
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158億7千6百万円(H12年度) |
社 長 |
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吉村清宏 |
本 社 |
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大阪市中央区島之内1丁目20ー19 |
事業概要 |
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土木、建築を中心とした電気、機械、環境等の総合コンサルティング |
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