プレスリリース

2001年9月5日

大飯発電所2号機
ターニング油ポンプの不具合状況について

 大飯発電所2号機(加圧水型軽水炉 定格出力117万5千キロワット)は、平成13年6月1日から第16回定期検査を実施しておりましたが、9月2日に原子炉を起動し、3日に臨界に達する予定でした。この起動準備のため、タービンのターニング(*1)を8月21日より実施しておりましたが、8月31日10時頃、ターニング油ポンプ(*2)が自動停止し、非常用油ポンプが自動起動しました。ポンプが停止した原因は、ポンプ本体の不具合と考えられることから、ターニング油ポンプの分解点検を実施し、その結果を踏まえ、原子炉の起動工程を決定することとしました。
 なお、この事象による環境への放射能の影響はありません。

平成13年8月31日記者発表済

 ターニング油ポンプの点検を行ったところ、上部軸受の保持器(*3)が一部損傷しており、また上部軸受に潤滑油を供給するため上部軸受箱カバー内に開けられた給油口が塗料でふさがり、潤滑油が供給されない状態となっていることがわかりました。同ポンプは、第13回定期検査(平成9年2月~平成9年8月)において、新しいものに取り替えていますが、製作時に上部軸受箱カバー内面に防錆塗料を塗布した際、給油口を塗料でふさいだものと推定されます。これらのことから、不具合の原因は、潤滑油が供給されない状態でポンプの運転を継続したことにより、ポンプ据付け時に注油した軸受の潤滑油が徐々に減少し、軸受に焼き付き(かじり)が発生したため、ポンプに直結されているモータが過負荷にて停止したものと推定されます。
 対策として、軸受箱カバー内の給油口の塗料を取り除いた上で、損傷した上部軸受を新しいものに取り替えポンプを復旧し、試運転時に潤滑油が確実に給油されることを確認することとしました。また、今後、同型のポンプを発注する際には、給油口をふさがないよう塗装する旨を指示書に追記することとしました。
 今後、定期検査を継続し、原子炉起動に向けた準備を行います。
 なお、原子炉起動等今後の工程につきましては、決定次第別途お知らせします。

以 上

(*1)ターニング: タービン起動前に、長時間の停止によりたわみの生じたタービンロータをターニング装置により低速(1.5回転/分)で回転させ、たわみを解消させる作業。
(*2)ターニング油ポンプ:ターニング中にタービン軸受に潤滑油を供給するためのポンプ。
(*3)保持器: 軸受内の玉が、互いに接触しないように一定の間隔を保ちながら転がるよう保持するもの。

<参考資料>


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